増えるシカ、上高地で試験的に捕獲して自然環境守る【長野・松本市】

中部山岳国立公園におけるシカの侵入対策の一環として、上高地で試験的な捕獲が実施されています。豊かな自然環境や生物多様性の維持を目指す取り組みです。

■試験捕獲スタッフ
「あ、ありました、ここです。この周りにエサを置いて食べに来たものがここを踏んじゃうという」

上高地の焼岳登山道入り口付近に設置された「足くくりわな」です。全部で14個仕掛けられています。長野や岐阜など4県にまたがる中部山岳国立公園では、近年、ニホンジカが増加していて、上高地でも2014年以降、毎年生息が確認されています。

■試験捕獲スタッフ
「シカの侵入がどんどん進んでいって、こういうふうに緑が今たくさんある状態ですが、こういうのがなくなってしまったら上高地の魅力としてすごく大きなダメージになってしまいますので、そういったことを防ぎたい」

こちらは環境省が上高地に設置したカメラの映像です。3頭のシカがわなの中に仕掛けられた餌を食べているのが確認できます。環境省は、シカの侵入による生態系への被害を防ぐため、上高地をモデル地域として2022年から試験的な捕獲を開始しました。試験捕獲を始めてからこれまでに4頭が捕獲され、中部山岳国立公園の他のエリアでも上高地での成果を反映したい考えです。今回の試験捕獲は来月7日までの予定で、9月から10月にかけても実施される計画です。

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