平安時代の貴族の歌遊びを浄土庭園で再現する「曲水(ごくすい)の宴」は26日、平泉町の毛越寺(藤里明久貫主)で催された。庭園内の遣水(やりみず)を舞台にいにしえの装束をまとった歌人が歌題の「語(かたる)」にちなんだ歌を詠み合い、約2000人の観客がみやびな世界に魅了された。
曲水の宴は、浄土庭園の池に水を取り込む遣水に盃(さかずき)を浮かべ、ほとりに座る歌人が自身の前に流れ着くまでに和歌を詠む歌遊び。新型コロナウイルスの影響などで5年ぶり34回目の開催となった今年は、歌人に中尊寺の奥山元照貫首と宮城県から招かれた合わせて6人、歌人が詠んだ歌を披露する披講役には宮中歌会始披講会会員の近衛忠大さんと園池公毅さんを迎えた。
男性が衣冠や狩衣(かりぎぬ)、女性は袿(うちぎ)の平安装束で参宴。遣水のほとりで歌題にちなんだ歌を短冊にしたためた。