ツキノワグマ対策に全力 メールで情報提供 花巻市有害鳥獣被害防止協・今年度

 花巻市有害鳥獣被害防止対策協議会(会長・上田東一市長)は24日、2024年度総会を開き、今年度活動計画などを決めた。ツキノワグマの目撃・被害対策として新たにいわてモバイルメールを活用した情報提供、AI(人工知能)カメラを活用した早期発見と追い払い、放任果樹伐採の推進などに取り組むことを盛り込んだ。

 同市野田の花巻地域農業管理センターで開かれた総会には14人が出席。上田市長はあいさつで、昨年度相次いだツキノワグマの目撃情報や人身被害を踏まえ、「市民の安全を守るためにできる対策をすべてやる」と述べた。

 活動計画などによると、ハクビシンやイノシシなどによる農畜産物の被害を防ぐため3戸以上の団体による農地への電気柵の設置をさらに推進。放任果樹がイノシシやツキノワグマなどを誘因する一因になっていることから、伐採を進める補助事業を新たに導入する。

 有害鳥獣の捕獲に関しては、ニホンジカによる農林業被害地域が拡大していることから、1880頭を捕獲目標頭数に設定、情報通信技術(ICT)を活用したくくりわなを追加配備し捕獲の効率化に取り組む。市西部を中心に発生していたイノシシ被害は東側にも拡大していることから、囲いわな2基を増設するなどして捕獲頭数の増加に努める。

 ツキノワグマ対策については市ホームページ、いわてモバイルメールを活用した情報提供の実施、市内小中学生に対するクマ鈴の配布や出没時の公用車等を活用した登下校の送迎対応、AIカメラを活用した早期発見・追い払いや侵入経路の特定などに取り組む。

 新規狩猟者を確保するため、今年度から狩猟者が銃保管に必須のガンロッカーと装弾ロッカーの購入費用に対する補助を行う。

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