米欧、鳥インフル対策で畜産酪農家などへワクチン接種検討

Julie Steenhuysen Jennifer Rigby

[シカゴ/ロンドン 27日 ロイター] - 米欧はH5N1型鳥インフルエンザのヒトへの感染を予防するワクチンの製造や取得に乗り出しており、接触リスクの高い畜産・酪農家や獣医師などを接種対象にする可能性があることが、政府関係者の話で明らかになった。

米政府当局者は先週、豪バイオ医薬品大手CSLから取得したワクチン原液を最終工程に移すと発表。欧州保健当局はロイターに対し、CSLのプレパンデミック(大流行前)ワクチンを獲得するために交渉中と語った。

カナダの保健当局は、同国に季節性インフルエンザのワクチンを供給している英製薬大手GSKと、季節性インフルのワクチン製造能力に余裕が出た段階で鳥インフルのプレパンデミックワクチンを製造・供給する方向で協議したと述べた。

英国を含む他の諸国もプレパンデミックワクチンを確保する方法を協議していると、専門家は語った。

鳥インフルは3月に米国で乳牛の間でも発生し、ヒトへの感染例も2件報告されている。畜産・酪農家のウイルス接触リスクが高まれば人同士で感染可能な型に変異する危険性も強まる。

オコネル米厚生次官補は、畜産・酪農家やその他のウイルスと密接に接触する人々へのワクチン接種の可能性を「精査している」と述べた。

欧州連合(EU)欧州委員会の保健緊急事態準備・対応局の報道官は、CSL製ワクチンの共同調達に取り組んでいるとロイターに語った。

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