「ノリさんだからできたこと」 ダービー優勝引き寄せた56歳横山典弘の“英断”に競馬ファン感動

G1日本ダービーで3歳馬の頂点に立ったダノンデサイルと横山典弘騎手【写真:産経新聞社】

G1日本ダービー

競馬の祭典・G1日本ダービー(東京優駿、芝2400メートル、18頭立て=1頭取り消し)が26日に東京競馬場で行われ、横山典弘騎手が手綱をとった9番人気のダノンデサイル(牡3・安田、父エピファネイア)が直線抜け出し、皐月賞馬で1番人気のジャスティンミラノに2馬身差をつけ、同世代3歳馬7906頭の頂点に立った。56歳3か月4日での勝利が、武豊が持つダービー及び、JRA・G1史上最年長勝利となった横山典騎手がレース後に語った“英断”にファンは感動。「馬優先主義素晴らしい」「真の意味で最も運のある馬」といった声が上がっている。

馬を最後まで信じた。逃げ候補だったメイショウダバルの取り消しで前半1000メートルが62秒2の超スローとなった頂上決戦。外からまくりをかける馬もいる中、インの4番手で虎視眈々と進めたダノンデサイルと横山典騎手は4コーナーを回ると、迷わずラチ沿いのインに突っ込んだ。残り200メートルで先頭に立つと、絶好位から運んでいたジャスティンミラノの追い上げを許さず、颯爽とゴールイン。ゴール後に派手なガッツポーズはなく、ファンの歓声を背に淡々とバックストレッチまで馬を流した。

皐月賞はゲート裏で違和感に気づいた横山騎手の“進言”があって、発走直前に出走を取りやめ「除外」となった。調整過程が決して順調ではなかった中でのダービー制覇。レース後、横山典騎手はインタビューで勝利の喜びを聞かれると、自分のことを差し置いて熱い思いを語った。

「馬のことなんですけど、皐月賞(直前)で跛行して、微妙なところだったんですけど(出走を)やめておいて今があるんで、僕のやってること、調教師さん、厩務員さんの馬の作り方に間違いはなかった。それが今日、結果となったので最高のレースでした」

馬のことを第一に考えた“英断”だったことを改めて口にすると、集まったファンからは拍手が。ダービー出走にこぎつけ、安田翔伍調教師が馬の状態につい太鼓判を押してくれたこともあって「今日は返し馬に行ったときに自信を持って乗れました」と陣営が一丸となってダノンデサイルにダービー馬の称号を与えることができたことに胸を張った。

この発言にネット上の競馬ファンからは「馬優先主義素晴らしい」「皐月賞の前に降りたのは英断だった」「あの時の判断がなければ今日の勝利はなかったかも」といった感動の声が即出。「ダービーは最も運の強い馬が勝つ」と競馬の格言を受け「ダノンデサイルは真の意味で『最も運のある馬』だったよ」「横山典弘が乗り続けていたことが最大の運だった」「あそこでやめたことが活きた」「あの回避はノリさんだからできたこと」といった声も上がっている。

THE ANSWER編集部

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