「手取り15万円」の新卒です。先輩から「ふるさと納税」を勧められるのですが、社会人1年目なのに必要ですか?「来年の手取りが増える」と言われました

ふるさと納税とはどんな仕組み?

ふるさと納税とは、都道府県や市区町村といった自治体に寄付をすることで、寄付金額の一部を所得税や住民税から控除できる制度です。

ふるさと納税で寄付をした際に確定申告をすることで、寄付金額から2000円を除いた全額を所得税や住民税から控除でき、生まれ育ったふるさとや応援したい自治体から地元の名産品などの返礼品を受け取れます。

例えば、ふるさと納税で5万円の寄付をした場合、その年の所得税や翌年の住民税から計4万8000円が減額され、寄付金額の3割以内相当の返礼品も受け取れるため、実質2000円で1万5000円相当の品を受け取ることが可能です。

また、ふるさと納税では寄付金の使い道も選べるため、地域の活性化や復興支援など、自分の興味関心のある用途で寄付することもできます。

ふるさと納税を活用することで、好きな自治体を応援したり好きな用途で寄付できるため、正しく仕組みを理解することでさまざまな恩恵を受けられる制度だと言えるでしょう。

社会人1年目にふるさと納税は必要?

社会人1年目であっても、月収から所得税が引かれ、翌年には1年目の収入に応じて住民税の支払いが発生するため、社会人1年目からふるさと納税を行う価値は十分にあります。

社会人1年目がふるさと納税をするメリットは主に以下の2点です。

__・税額控除により2年目の手取りが増える

・実質2000円で返礼品を受け取れる__

新社会人の場合、2年目の6月から住民税の給与天引きが始まるため、1年目よりも手取りが減ると言われていますが、1年目にふるさと納税をしておくことで翌年の住民税が控除されるため、手取り額の減少を抑えることができます。

また返礼品の中には、ティッシュやトイレットペーパーなどの日用品の他にも、レトルト食品やお米などの食品といった生活必需品もあるため、返礼品を活用すれば実質2000円で生活必需品を受け取ることも可能です。

社会人1年目でも、ふるさと納税を活用することで恩恵は十分に受けられるため、自治体や返礼品にはどんなものがあるかを確認して、自分に合った目的でふるさと納税を活用してみると良いでしょう。

ふるさと納税の注意点

返礼品や税金の控除が魅力的なふるさと納税ですが、注意点を理解しておかないとメリットを上手く活用できない可能性があります。

ふるさと納税で主に注意すべき点は以下の通りです。

__・控除額の上限は人によって異なる

・2000円の自己負担が発生する

・減税や節税になるわけではない__

ふるさと納税は、収入や家族構成などによって決まる上限の範囲内で、「寄付金額-2000円」が所得税や住民税から控除されます。

特に社会人1年目の場合、4月から12月の月収に加えて、ボーナスや入社前のバイト代なども収入に含むため、寄付金額を決める際は控除額の上限を超えないように注意してください。

上限を超えてしまった場合は超過分が自己負担となるうえ、寄付した金額にかかわらず2000円の自己負担は必ず発生するため、事前に控除額のシミュレーションをするなど、収入の計算は慎重に行いましょう。

また、ふるさと納税をしたからといって支払う税金額が減るわけではなく、本来税金として納めていた金額を他の自治体に寄付しているため、ふるさと納税をしても減税や節税にはなりません。

とはいえ、2000円の自己負担で返礼品を受け取れ、好きな自治体の応援ができることなどを考えると、減税や節税にはならなくても十分メリットがあると言えるでしょう。

ふるさと納税の注意点をきちんと把握し、自分に合った内容でふるさと納税を活用して、生活を豊かにしていきましょう。

まとめ

ふるさと納税とは、応援したい自治体に寄付をすることで「寄付金額-2000円」の全額を所得税や住民税から控除できる制度で、実質2000円で寄付金額の3割以内相当の返礼品を受け取れます。

所得税や住民税の金額は社会人1年目の収入から関係してくるため、社会人1年目でもふるさと納税を行う価値は十分にあります。

社会人1年目からふるさと納税をしておくことで、翌年の住民税の金額を抑えたり、返礼品を生活必需品にすることで節約につながったりと、ふるさと納税の活用により生活を豊かにできるでしょう。

ただし、ふるさと納税では2000円の自己負担が必ず発生することや、控除額の上限を超えた部分は全額自己負担となること、減税や節税にはならないことなどの注意点も理解して活用することが大切です。

出典

総務省 よくわかる! ふるさと納税

執筆者:梅井沙也香
FP2級

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