ハミルトン、2ストップでファステストを記録もアンダーカットはならず「チームの指示にミス」とメルセデス/F1モナコGP

 2024年F1モナコGP決勝で、メルセデスのルイス・ハミルトンは7位、ジョージ・ラッセルは5位だった。1周目に多重クラッシュが発生し、赤旗レース中断となった。ハードタイヤでスタートしたふたりは、リスタートでミディアムタイヤを履いた。

 7番手を走行するハミルトンは、後方に大きなギャップを築いたため、51周目にハードタイヤへの交換を行い、ポジションを落とさずにコースに復帰、フレッシュタイヤでファステストラップを記録、追加の1ポイントも獲得した。

 ハミルトンが51周目にタイヤ交換を行った翌周、前を走っていたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)がピットインし、ハミルトンの前でコースに戻った。ハミルトンにはフェルスタッペンをアンダーカットするチャンスがあったわけだが、チームはハミルトンに対して「アウトラップが極めて重要(out-lap critical)」というメッセージを送らなかった。ハミルトンは、フェルスタッペンが自分の前でコースに戻るのを見て、「なぜアウトラップが重要だと言わなかったのか」とチームに無線で尋ねた。

 決勝後、トト・ウォルフ代表は、アンダーカットについて迷いがあったが、挑戦すべきだったと示唆した。

「ピットウォールにおいて我々の中でコミュニケーションミスがあり、誤りが生じた」とウォルフは『GP Racing』に対してコメントした。

「『アウトラップが極めて重要(out-lap critical)』と指示して、アンダーカットを試みるべきだった。だが、新しいタイヤでのアウトラップで十分かどうかという議論があり、彼には混乱を招くメッセージを送ってしまった。それはおそらく間違いだった」

「懸念していたのは、その1周でタイヤを酷使したら、その後どうなるかということだった。だが、ルイスへのメッセージは間違っていた。これはチームの責任だ」

 ラッセルはミディアムタイヤで最後まで走り切り、終盤は、タイヤ交換をしたフェルスタッペンが後方から急激に近づいてきたものの、0.544秒差で抑え切った。

2024年F1第8戦F1モナコGP ルイス・ハミルトン(メルセデス)

■ルイス・ハミルトン(メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム)
決勝=7位(78周/78周)
7番グリッド/タイヤ:ハード→ミディアム→ハード
ファステストラップ:1分14秒165(63周目)

 この週末、僕らのパフォーマンスには勇気づけられる兆しが数多く見られた。チームはアップデートを持ち込むために大変な努力をしてくれたし、今後の数戦でさらに多くのものが投入される。このクルマが一歩前進したのは間違いない。さらに二歩、三歩と前進を続けることができれば、上位3チームと戦えるところまで行けるはずだ。

 今日のレースはひどく退屈だった。赤旗中断後は誰もがペースのマネージメントをしていて、結局のところ、どのタイヤでも最後まで走りきることができた。だから、順位を上げるためにできることは何もなくなり、もどかしいばかりだったよ。

 カナダへ行くのが楽しみだ。あのサーキットで僕らがどこまでやれるか、明らかになるのを心待ちにしている。

2024年F1第8戦F1モナコGP ルイス・ハミルトン(メルセデス)とシャルル・ルクレール(フェラーリ)

■ジョージ・ラッセル(メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム)
決勝=5位(78周/78周)
5番グリッド/タイヤ:ハード→ミディアム

 今季ここまでのベストレースだった。ペースは良かったし、終盤には70周も使い込んだミディアムタイヤでも、なおペースの速さを示すことができた。最後にはトップ4に迫って、ウイナーからほんの十数秒差でフィニッシュしたからね。週末全体として、ポジティブな点がたくさんあった。

 レース前にはかなりの時間をかけて、ありとあらゆる戦略的オプションを検討した。グリッドに並んで、僕の前のドライバーが全員ミディアムコンパウンドを履いているのを見た時には、本当にうれしかったね。そして、1周目にカルロス(・サインツ)が止まった時点で、状況はさらに有利になったかに思えた。ところが、すぐに赤旗が出て、僕は思いのほか難しい状況に陥ったんだ! 再スタートからの30周はペースを抑えて走り、そうすることでタイヤをいい状態に保って最後まで走りきれた。終盤にはマックスにプレッシャーをかけられたけど、それも余裕をもってコントロールできたよ。

2024年F1第8戦F1モナコGP ジョージ・ラッセル(メルセデス)とマックス・フェルスタッペン(レッドブル)

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