【宮田莉朋F2密着】ファステスト狙い壁に接触。モナコを攻め切った日曜日/第5戦レビュー後編

 2024年FIA F2第5戦モンテカルロの週末、土曜日のスプリントレース(決勝レース1)までに学んだことを活かして日曜日のフィーチャーレース(決勝レース2)に臨んだ宮田莉朋(ロダン・モータースポーツ/TGR WECチャレンジプログラム)。FIA F2のフィーチャーレースではタイヤ交換が義務付けられているため、スタートからピットインまでタイヤをマネジメントしなければならない。

 硬めのプライムタイヤ(ソフト/レッド)でスタートした宮田は、「周回を重ねるごとにだんだん感覚がつかめて、前を走っているクルマに追いつくこともできましたが、やっぱりモナコは抜けず。上位勢との差が広がってしまいました」と振り返る。

 セーフティーカー(SC)導入といったタイミングでピットインできれば、大きく順位を上げることも可能だったが、宮田がピットインするまでに大きな混乱は起きず、最後尾22番手からスタートした宮田にとっては戦略的には厳しい展開となった。

「それでもクリーンエアで走っていたときはいいペースで走ることができました」

 宮田は、タイヤを履き替えるとプッシュを開始する。

2024年FIA F2第5戦モンテカルロ 宮田莉朋(ロダン・モータースポーツ/TGR WECチャレンジプログラム)

「タイヤ交換してオプションタイヤ(スーパーソフト/パープル)を装着していたときは、前にだれもいないクリーンエアで走ることができたので、ファステストラップを狙ってしばらく攻めました」

「そのアタック中にプールサイドシケインと最終ターン19でバリアに少し接触しました。それがなければ、ファステストラップを獲得できたと思うので残念ですが、そこまで攻めることができたことはポジティブだったと思います」

 なお、接触の影響でその後は足回りのアライメントが狂った状況だったという。

 0.213秒差で惜しくもファステストラップは獲得できなかったが、宮田はレース後半の30周目のターン3(マスネ)でアウトラップのクッシュ・マイニ(インビクタ・レーシング/アルピーヌ育成)をインから、そして40周目のターン9(トンネル)でロマン・スタネ(トライデント)をインからオーバーテイクする快走を見せた。

「レース終盤にバーチャルセーフティカー(VSC)が出なければ、もう少し抜けたと思います」

 そう言って宮田は笑顔でモナコでの週末を振り返った。

「この後は、ル・マン24時間があります(LMP2クラスにクール・レーシングから参戦)。昨年はTGRチームに帯同していましたが、ドライバーとしてル・マンを走るのは今回が初めてとなります」

「サルト・サーキットも初経験の地なので準備が忙しいですし、早く気持ちを切り替えなければならないので大変です。ただ、新しい経験を積むということは成長の過程だと思います。経験を得られる時間を大切にしていれば、いつか結果に繋がる。そう思って、支えてくださっている人たちを信じてレースを続けていくだけです」

 初めてのモナコでの経験は必ず次に生きる。世界三大レースのひとつであるル・マン24時間レースを経て、宮田がたくましくなってFIA F2の次戦スペイン・バルセロナに帰ってくる姿を楽しみにしたい。

2024年FIA F2第5戦モンテカルロ 宮田莉朋(ロダン・モータースポーツ/TGR WECチャレンジプログラム)

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