缶入りクラフトビール2種類発表 岡山・宮下酒造「独歩」から

宮下酒造が売り出す缶入りのラガー(左)とホワイトエール

 宮下酒造(岡山市中区西川原)は6月1日、クラフトビールの自社ブランド「独歩」から缶入り2種類を発売する。「独歩ゴールデンラガー桃太郎編」と「独歩ホワイトエール鬼神温羅(うら)編」で、いずれも新商品。クラフトビールは近年人気が高く、瓶より軽量で手軽に飲める缶入りのPRを強化し需要を取り込む。27日に本社で発表会を開いた。

 ラガーは岡山県発祥の酒米・雄町を副原料に用い、すっきりとした味わいに仕上げた。ホワイトエールは大麦と小麦の麦芽を使い、フルーティーな香りと爽やかな酸味を楽しめる。ラベルにそれぞれ桃太郎と赤鬼をデザイン。ビールを手にしており、並べると乾杯しているように見える。

 ともにアルコール度数5%、350ミリリットル入りで希望小売価格は税別450円。県内のスーパーや百貨店、JR岡山駅や観光地などで販売する。欧米やアジアへの輸出も視野に入れる。年12万本の販売(ビール類全体の1割)を目指す。

 同社の缶ビールは現在250ミリリットルのピルスナー(税別300円)のみ。市場の拡大に伴いラインアップを増やすことにした。4千万円を投じて新たに充填(じゅうてん)機や大型冷蔵庫も導入し、増産体制を整えた。

 クラフトビール人気で同社のビール類の売れ行きも約10年前から増加傾向にある。宮下晃一専務は発表会で「特徴のあるビールなら高くても売れるようになってきている。缶の需要はさらに伸びると思われ、バリエーションを増やしていく」と話した。

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