PK shampoo 大阪・東京でツーマンイベント「FIRE WALL Vol.2」開催 大阪公演出演のchelmicoと友人?を招いた異色な座談会

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Text:ヤコウリュウジ Photo:佐藤瑞起

何もかもを熱狂の渦に巻き込み続けるバンド・PK shampooが企画するツーマンイベント「FIRE WALL Vol.2」を大阪と東京で開催。6月22日は大阪・味園ユニバースにてchelmico、6月28日は東京・キネマ倶楽部にて小山田壮平(band set)を迎えるという何かが起こる予感しかない組み合わせとなっている。

イベントが稀有であれば取材も同様に、ということでもないが、今回はPK shampooからフロントマンであるヤマトパンクス、chelmicoからRachelとMamiko、そしてこれまでにマンガ編集者として『映像研には手を出すな!』や『チ。ー地球の運動についてー』を担当し、この2組を繋ぐ共通の友人である小学館の千代田修平(『マンガワン』編集部)という4人による座談会を実施。どういった展開になるのか予想できないところもあったが、共鳴し合う部分も多く、異色なツーマンへ向けて機運が高まる時間となった。

――不思議な組み合わせな気がしますよね。

Mamiko たしかに。

千代田 なんで僕がいるんだろう?とか(笑)。

――共通の友人である千代田さんにも来ていただいたということもありますが、そもそもPK shampooとchelmicoという組み合わせに目新しさがあります。

ヤマト もともと、「FIRE WALL」って企画は会いたい人に会いに行ってみようぜ、やったことない人とツーマンしてみよう、というのがあって。

――前回やられたときはa flood of circleとドミコとそれぞれツーマンをされましたね。

ヤマト で、今年またやろうという話になって、chelmicoに会ってみたいな、と。東京公演は小山田壮平さんで、共通の知り合いはどっちもいたんですけど、会ったことはなくて。

――このオファーを受けたとき、どう感じました?

Rachel 千代田が教えてくれてたから、(PK shampooのことは)以前から知ってて、好きで聞いてたんです。

――あぁ、そうだったんですね。

千代田 3年か4年前ぐらいに「ヤバいバンドがいる」って話は(chelmicoに)してて。

Mamiko だから、速攻で「やりましょう!」と。

Rachel ただ、周りから見たら接点がないし、実際にこのツーマンが発表されたときはビックリされまし たね。

――実際、同じクラスにいても仲良くならなそうですし。

ヤマト いや、なりますよ!

Mamiko うん、なると思う。公の場での印象は違いすぎるけど、話すとそんなこともなくて。

Rachel この間、(chelmicoの)ライブへ遊びに来てくれたんですけど、そのときも初対面って感じはなかったぐらい。

Mamiko そうそう、何年も前から会ってたんじゃないかな、って。

ヤマト 同じような友達がいそうな気がしてて。

Rachel そうかも!

――それぞれと親交がある千代田さんから見て、仲良くなりそうな感じはありました?

千代田 どうなんだろうな……でも、3人ともある意味オタクだと思ってて。だから、そのへんのマインドが通じ合うのかな、と。

――ヤマトさんはどういった理由でchelmicoと会いたいと思ったんですか?

ヤマト もともと、楽曲も聞かせてもらってたんですけど、すごい陽気な人たちじゃないですか。歌詞もスタンスも。ライブを拝見させていただいたときも自然体で、これを好きじゃないと言ったら「オレがめっちゃ悪いヤツだな」みたいな(笑)。最高な人たちですよ。

Rachel うれしい!

――でも、共通の友人がいたわけで、以前にも会おうと思えば会えましたよね。

Mamiko たしかにそこに行き着かなかったね。

Rachel そこは千代田がオーガナイズしないと。

千代田 そっか……ごめんなさい(笑)。

――ハハハハ(笑)。千代田さんはどういったキッカケでそれぞれとお知り合いになったんですか?

千代田 chelmicoのふたりは以前担当していた『映像研には手を出すな!』がアニメ化したとき、オープニングテーマをお願いしたところから親交がありまして。2020年とかになるのかな。

Rachel あっという間だね。

――ヤマトさんとは?

千代田 これも以前に担当していた『チ。ー地球の運動についてー』の作者である魚豊さんと最初に意気投合したのがふたりともPKが好きだ、ってことで。せっかくだから、対談をしようとなったことでしたね。ただ、ヤマトはまだ大阪にいたときだったから、その後はそんなに会う機会はなくて。

ヤマト りんご音楽祭で会ったりとか、そういうイベント先で会うことが多かったですね。

千代田 PKのライブはほとんど観に行ってるんで、そういうときに会ったり。

Mamiko 一緒に飲んだりはしてないの?

千代田 以前、ヤマトがベロベロになって「今、漫画家さんがいるから来い!」みたいな連絡があって。

一同 ハハハハ(笑)。

千代田 行ったら、「鳥山明と大友克洋のどっちがすごいのか?」みたいな話を延々としてた、みたいなことはありましたね(笑)。

――千代田さんのような共通の友人がいたとしても、普通には繋がらなそうな2組がライブで相まみえます。

Rachel 何組かいて、っていうのだったらあるかもしれないですけど、ツーマンとなるとかなり温度差がヤバいような。(PK shampooの)ライブは拝見したことがないんですけど、どんな感じ?

千代田 モッシュやダイブもあって、熱いしヤバい、みたいな。

Rachel 全然スタイルが違うね。でも、絶対に観に行きたいみたいな人もチラホラいて、千代田みたいな(笑)。

――何か共通項となるモノはあるんですかね?

Rachel あるのかな。何を通ってきたんですか?

ヤマト それこそ、初めてchelmicoを知ったのが『映像研には手を出すな!』のアニメだったんで。

Rachel じゃあ、アニメは観られる?

ヤマト めちゃくちゃ観ますね。

千代田 僕からすると、少なくともRachelとヤマトはインターネット育ちだなと思ってて。

――世代も近いですよね。

ヤマト オレ、今年30歳です。

Rachel じゃあ、私がひとつ上だ。たぶん、共通言語となるのはニコニコ動画、フラッシュ倉庫や2ちゃんねるとか。

ヤマト 他に何を通ってきたかとなると……オレ、ずっと帰宅部だったんですけど。

Mamiko そこは私が一緒だ(笑)。

一同 ハハハハ(笑)。

ヤマト 大学のとき、落語家になろうとして落研に入ろうとしたけど、陰気なヤツしかいなかったから軽音サークルに入って(笑)、そこから音楽を始めていったから、あんまり何かを通ってきたというのもなくて。それこそ、アニソンぐらいで。

Mamiko それまで音楽はやってなかったんですか?

ヤマト 全然やってなくて。オレは立川談志になりたかったんですよ。そういう人らが落研にはいっぱいいると思ってたら、そうでもなく。で、そのときも金髪で腰ぐらいまでの長髪だったのもあって軽音サークルに勧誘されて。

千代田 見た目だけで(笑)。

ヤマト 行ってみたら、お花見新歓コンパみたいなので焼きそばを投げつけ合ってて「ここしかない!」と(笑)。

一同 ハハハハ(笑)。

――この中では千代田さんが2組の共通項になるわけですけど、それぞれにハマった理由は何だったんですか?

Rachel それこそ、どうやって知ったの?

千代田 たぶん、PKはBASEMENT-TIMESって音楽サイトで紹介されてたことで知ったんだと思います。

ヤマト そこで絶賛されてたんですよ!

――物凄いドヤ顔をしましたね(笑)。

一同 ハハハハ(笑)。

千代田 でも、ホントに「他のロックバンドは今すぐ辞めた方がいい」、「PKが全部終わらせた」みたいに絶賛されてて。「星」や「京都線」とかも聞いてめっちゃいいと思いましたし。そこにはインターネットっぽさもあって、ハマりましたね。

――では、chelmicoの魅力とは?

千代田 『映像研には手を出すな!』で(オープニングテーマの)オファーを出す前、最初は「Highlight」を聞いて単純にめっちゃかっこよ、みたいな。

Mamiko うれしいね。

千代田 キッカケはサレンダー橋本さんというイケてる漫画家さんが紹介してることだったんですけど。

Rachel・Mamiko へぇ〜、そうなんだ!

千代田 シンプルにラップがカッコよすぎる、と。そんなときにオープニングテーマの候補にchelmicoも入ってて。(『映像研には手を出すな!』の作者である)大童さんにchelmicoを聞かせて「これでいきましょう!」と。大童さんも「いいですね」と言ってくれたこともあり、もともと素晴らしい曲を提供してくださっていたので、そのままオープニングテーマになった、みたいな。

Rachel 「Highlight」は明るくて楽しい感じの曲だから、カッコいいって印象を持ってくれたのがうれしいな。

――しかしながら、『映像研には手を出すな!』のオープニングテーマになった「Easy Breezy」はめっちゃ攻めた曲でしたよね。

ヤマト 「Easy Breezy」はクールさがあって。あんまいなくないですか、chelmicoみたいな存在。

――たしかに同じようなスタンスのアーティストってあんまりいませんよね。

千代田 僕はあんまりラップを聴いてこなくて、ロックやバンドが好きなんですけど、そっちの文脈でもchelmicoはめっちゃカッコよくて。

Rachel そんな風に捉えてくれてたんだ、うれしいな。

Mamiko たしかに、ラッパーたちとのフェスよりもバンドがいるフェスの方が呼ばれるし。

Rachel そうかも。最近、全然違う立ち位置の方とやる機会も増えてて、(このツーマンは)日程的にもその大トリみたいな(笑)。だから、どう受け入れてもらえるのか、っていうドキドキ感もすごくあるんです。

Mamiko どんな感じなんですか、PK shampooのファンは?

――特に今回の会場はPK shampooの地元である大阪ですし、気になりますよね。

ヤマト わかりやすいエピソードで言うと、前のマネージャーがバンドの金を盗んでどっか行っちゃって(笑)、その話をZepp Hanedaでしたらシーンとなったけど、味園ユニバースでは「ウェーイ!」みたくなって(笑)。

一同 ハハハハ(笑)。

ヤマト その後、物販の金が盗まれるという(笑)。

Mamiko ヤバっ!

Rachel ならず者しかいない(笑)。ウチら、結構楽しいかわいいダンスタイムをやったりするんですけど、やってくれるかな?

ヤマト 意外とやると思う。

Rachel そんなならず者たちが可愛く踊ってる姿、見たいけどな(笑)。

――逆にchelmicoのファンはPK shampooを受け入れてくれそうですか?

Mamiko たぶん、大丈夫だと思います。

Rachel chelmicoのファンは音楽全般を好きな人が多くて。ファンコミュニティで「普段、何を聞いてるの?」って話しかけると、みんな違う答えが返ってくるし。あと、大阪のファンは(MCのときに)めっちゃ喋りかけてくるんですよ。

Mamiko すっごい私語が多い(笑)。

Rachel ゴキゲンなヤツらが集まってくる可能性がありますね、PK shampooさんと一緒なら。そのときは千代田がフロアを作らないとね?(笑)

千代田 「円を作れー!」とか?(笑)

ヤマト そんなバンドではないけどな(笑)。

一同 ハハハハ(笑)。

Rachel ウチらのファンに対して、どんな曲を予習してきて欲しいとかあります?

ヤマト でも、オレら、そんなに曲の数がないんですよ。

――最新作『再定義 E.P』に収録された「死がふたりを分かつまで」がトータルで23曲目ということで歌詞に<Diary No.23>って入ってますよね。

ヤマト そうですね。フルアルバムも1枚しか出してないんで。インストアライブとかすると、(店内BGMとして)曲を流してくれるじゃないですか。すぐに1周しますからね(笑)。

一同 ハハハハ(笑)。

――MVは観ていくといいかもしれないですね。雰囲気もわかるでしょうし。

千代田 ライブMVみたいなのもめっちゃありますからね。

――chelmicoとしては、対ロックバンド仕様みたいなセットリストもあるんですか?

Mamiko ありますね。

Rachel (対バンする)バンドのスタイルによって違うところもあるんですけど、「Easy Breezy」や「Hightlight」をやったり。あと、「Player」ってタオルを振る曲、「GOOD GAME」や「ISOGA♡PEACH」もそうですね。

ヤマト 「ISOGA♡PEACH」はやって欲しいです。

Mamiko じゃあ、やります!

――サラッとリクエスト曲が出てくるあたり、ヤマトさん、結構聞き込んでますね。

ヤマト いや、聞き込んでないです。

一同 ハハハハ(笑)。

千代田 中学生男子の態度すぎる(笑)。でも、「ISOGA♡PEACH」をヤマトが好きなのはめちゃめちゃ納得というか。電波ソングっぽいところもあるし。

Rachel そうそう、早口でアニソンとか好きな人は結構馴染みやすい曲かなと思います。

――また、会場となる味園ユニバースですけど、ビル自体が老朽化の為、全テナントと契約終了という話もありますね。

ヤマト 戦ってるみたいですけどね。そういうのもあるんで是非、という感じもあって。(誘った理由として)オレがあそこでchelmicoを観てみたかったというのもあるんです。あの場所自体もめっちゃ好きだし。

Rachel 面白い場所ですよね。

――どんな雰囲気なんですか?

ヤマト もともとキャバレーだったみたいで、ステージ後方にネオン管みたいなのが1000本ぐらい刺さってるんですよ。触ったら感電死するらしいですけど(笑)。ビル自体も昭和の雰囲気があったりして。

Rachel 町並みも面白かった気がするな。

ヤマト いろんな人たちと一緒にやりましたけど、マジックがかかる空間でもあるんです。味園という場所自体もそうですし、是非みんなに来てほしいですね。

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