【ゴボウや大根は真っ二つに…】パワーウインドーの2歳児死亡事故 子どもの悲惨な事故を減らすためには

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パワーウインドーに挟まれ2歳の女の子が死亡するなど、子どもが思わぬ事故に巻き込まれるケースが相次いでいます。悲惨な事故を減らすための注意点とは。

東京・練馬区の住宅街で、先週、2歳の女の子が母親の運転する車の窓に挟まれ死亡する事故がありました。

親子が乗っていた車の窓は、スイッチで開閉する一般的なパワーウインドーとみられています。

日本自動車連盟=JAFが行った実験をみると、パワーウインドーに挟まれたゴボウも…大根も真っ二つになり、パワーウインドーには、凄まじい力があることが分かります。

JAFの実験によりますと、閉まりかけたパワーウインドーは、人の力で止めることは難しく、8歳の男の子はもちろん、30代女性も両手を使ってようやく止められるほど強力だといいます。

■JAF福島支部・東義久係長

「人が挟まるとけが、指の骨折や首だと息ができなくなる危険性がある」

JAF福島支部の東さんは、悲惨な子どもの挟み込みの事故を防ぐためには、車の中の環境づくりが欠かせないと指摘します。

■JAF福島支部・東義久係長

「窓を開けるよ、閉めるよの声かけをしてもらうのが1つ。チャイルドシートなどを正しく使って、しっかりハーネスを締めることで、子どもが頭や手が窓ガラスに近づかない環境を作ってあげることが大事」

今回の事故では、女の子は母親の運転する車の後部座席で、チャイルドシートに座っていましたが、ベルトはしていなかったとみられます。

子どもが窓の外に顔や手を出さないようチャイルドシートにしっかり座らせ、窓を開け閉めするときに声をかけることや目視をすることが大切です。

一方、最近のパワーウインドーは、窓が閉まるときに異物を挟むと自動で停止し、窓が少し開く、安全装置が付いている車も増えていますが、そこに、思わぬ落とし穴があるといいます。

■JAF福島支部・東義久係長

「お子さまの手は小さく、非常に大きな力がかからないと、安全装置は働かないので」

挟みこみを防ぐ装置は、窓が閉め切る直前の部分では感知しなかったり、子どものような柔らかくて小さな手などの場合は、安全装置が作動しなかったりするおそれがあるというのです。

JAFは、万が一、挟み込みに気づいた場合、パワーウインドーのスイッチで窓を開き、子どもを救助するよう呼び掛けています。

また、これから暑くなると、車のなかの温度も急激に上昇しますから、「短時間であっても子どもを車のなかに置き去りにしない」こともぜひ注意してほしいと思います。

そして、最近、リンゴをのどに詰まらせるという事故が多いと言います。

最近明らかになった事例では、2022年、東京都の認可外保育施設で1歳5か月の女の子が、リンゴを喉に詰まらせたとみられる死亡事故がありました。

都によりますと、2センチ四方、厚さ3ミリのリンゴが提供されていたということなんですが、小さく切れば良いというわけではないといいます。

こども家庭庁は、「切り方などによっては喉に詰まりやすい食材」として、離乳食が完了するまでは加熱して食べさせるよう呼び掛けています。

「すりおろせば大丈夫」という考えもあるかもしれませんが、大きめのかけらが混入する場合があって、そのかけらが喉に詰まる場合もありますので注意が必要です。

こども家庭庁は、子どもに起こりやすい事故とその防止法や対象法をまとめたガイドブックをウェブで公開しています。

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