元職員が実態語る 保育士不在で園児預かり事業停止命令の保育園 職員数水増しで補助金請求か 札幌

保育士がいない時間帯も園児を預かったなどとして、札幌市が事業停止命令を出した「ちゅうわ南保育園」。元職員が当時の状況を語りました。

ちゅうわ南保育園・元職員:「(子ども)未来局さんが訪ねてこられて、どうしましたかって聞いたら『ここ、きょう閉園のはずだよ。なんでいるの』って言われてしまって」。

来月1日から10カ月間の事業停止命令が出されたのは、札幌市南区の認可保育園「ちゅうわ南保育園」です。市によりますと、この保育園では3月に職員が一斉に退職。運営法人の中和興産は「職員がきちんと確保されるまでは、市の了承なく開所することはない」と市に弁明書を提出していたにも関わらず、条例で定められた保育士の数よりも少ない状態で運営を続けていました。元職員は、当時の状況をこのように話します。

記者:「常に保育者が足りないような状況だった?」

元職員:「そうです、足りないです。保育士1人、補助の私1人という感じで2人で回して、時々就労支援の人が来るという感じ。なんかもう、わちゃわちゃっていう感じだったんですよね」。

札幌市によりますと、この保育園では、3月末から先月までの一部の時間帯に保育士がいない、または1人しかいない条例に違反した状態で、3人から5人の園児を預かっていたということです。

今回の事業停止命令に関して、HTBが中和興産に取材を申し込むと。

(インターホン)

記者「Q.報道部のものなんですけども

男性:「アポイント取ってます?アポイント取ってください」。

この法人には、他にも問題が。札幌市は「ちゅうわ南保育園」を含む系列の4つの認可保育園で補助金が過大に支払われたとして、中和興産に対しおよそ2560万円の返納を求めています。中和興産の元職員は、職員の数などを水増しして補助金を請求していたと話します。

以前勤めていた人:「職員でいうと、8人前後の水増しをしていまして。職員ですと、もう退職した職員でしたり、亡くなった職員も入っていました」。

この件に関して、中和興産の実質的経営者の男性は、このように話します。

実質的経営者の男性:「どうしても概算と精算で差が生まれてしまう。これまでも差額は返納している」。

札幌市は、中和興産に対し24日までにおよそ2560万円を返納するよう求めていましたが、期日を過ぎた27日になっても、まだ入金が確認されていないということです。

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