梅雨になりがちな『犬の病気』5つ 湿度が高い時期に気をつけるべきことまで

要注意!梅雨になりがちなわんこの病気

1.皮膚炎

梅雨どきはジメジメして被毛が乾きにくく、その奥の皮膚も蒸れやすくなります。皮膚が蒸れるとバリア機能が低下するだけでなく、細菌や真菌が繁殖しやすくなるため皮膚炎のリスクが上がります。

皮膚炎を発症すると皮膚が赤くなったり、痒みや痛みが出たりするため、わんこにとっては非常に苦痛を伴います。

2.食中毒

わんこに限らず、梅雨どきは細菌性の食中毒事故が急増する季節です。実際に食中毒の発生は、6月が最多であるというデータも示されています。これは湿度や温度の関係で細菌が増殖しやすくなるからです。

3.代謝異常

梅雨の時期にはわんこの下痢・嘔吐といった症状もよく見られます。一見すると食中毒と間違えてしまうかもしれませんが、この季節の下痢・嘔吐は必ずしも食べものに由来するものばかりではありません。

急激に高まった湿度が体の代謝に悪影響を与えるため、胃腸の動きや排泄に異常をもたらすことが多いのです。

4.運動不足による病気

雨の日が続くと散歩も満足にできなかったり、おでかけをする場所も限られてしまったりして、わんこも人間も運動不足になりがちですが、わんこにとって運動不足はとても大きな問題です。

運動不足が続くとストレスが溜まるため、無駄吠えや破壊行動などの問題行動が増えたり、下痢・嘔吐といった身体症状に発展する場合もあります。また運動不足で肥満になってしまうと、関節への負担が増えたり、さまざまな病気の元となるリスクもあります。

5.熱中症

熱中症というと真夏のイメージが強いかもしれませんが、梅雨どきから注意しておく必要があります。

わんこは口でハッハッと息をするパンディングによって体温調節を行いますが、周りの湿度が高いと体温調節が上手にできず、熱がこもってしまって熱中症を発症するリスクが上がってしまいます。

湿度が高い時期の暮らし方

1.濡れたらよく乾かす

雨の中をお散歩してきて濡れたときはもちろん、雨上がりのお散歩から帰って足を洗った後などはいつも以上にしっかり乾かすことを心がけましょう。

他の季節であれば適当に拭いて自然乾燥で何とかなっていたとしても、梅雨どきはそうはいきません。タオルでしっかり拭いた後、可能であればドライヤーを活用すると良いでしょう。

2.食品管理に気をつける

食中毒を起こさないよう、肉や魚といった食材そのものを与える際にしっかり火を通すことはもちろん、いつものドッグフードであっても保管方法に気を遣う必要があるでしょう。

湿気が入り込むと品質劣化の原因になります。開封後は小分けにして冷蔵庫に保管するなどの工夫ができるとベストです。

3.除湿機を利用する

梅雨どきは室内もジメジメして不快指数が高くなりがちです。あまりに不快に感じるときには除湿機やエアコンの除湿モードを活用し、室内の湿度を快適な状態に保ちましょう。外がジメジメしていても室内だけでもカラッとしていれば、心も体も元気になれます。

まとめ

いかがでしょうか?梅雨どきは何となく気分も上がらず、周りを気にする余裕も出ないかもしれません。ですが愛犬の体調管理は飼い主さんの重大な役割です。気分が乗らない梅雨どきこそ油断せず、おうち時間で愛犬との絆を深めながら健康チェックも欠かさずに行いましょう

(獣医師監修:寺脇寛子)

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