3代足守藩主ゆかり 打敷を修復 京都・高台寺、6月に一般公開

修復された木下利房ゆかりの「網目に菊花丸文散らし金襴打敷」=高台寺

 豊臣秀吉の正室・北政所ねねが建立した高台寺(京都市)は27日、ねねのおいで3代足守藩主木下利房(1573~1637年)の継室・永興院が奉納し、同寺で使用していた打敷(うちしき)(京都府指定文化財)を修復したと発表した。来月、一般公開する。ねねは同藩の初代藩主木下家定の妹。

 打敷は卓上にかけて供物や仏具を載せる敷物。修復された打敷は紺色地に金糸で菊花丸文を散らした金襴(きんらん)「網目に菊花丸文散らし金襴打敷」(縦165.5センチ、横170センチ)。裏地に「昔年永興院殿寄附裏絹大破以布改」「弘化四年」などの墨書があり、永興院が寄贈し弘化4(1847)年、秀吉の250回忌に際し修理されたとみられる。使用による損傷や虫食いなど経年劣化が進んでいたため約1年前から修復していた。

 「網目―」と合わせ、蓮(はす)や輪宝、卍(まんじ)の丸文様の摺箔(すりはく)が押された「丸文散らし摺箔打敷」(縦118.5センチ、横112.7センチ)も修復。同寺は今回の2点を含め、文化財指定された打敷12点を所蔵。桃山時代から江戸時代初期を代表する染織品で、一部の裏面にはねねが寄贈したことを示す墨書もある。2018年度から修復を進めており、今回で12点全てが終了した。

 高台寺掌(しょう)美術館(同市)で一般公開され、「丸文―」が6月1~20日(20日午後は休館)、「網目―」が同21日~7月10日。問い合わせは同寺(075―561―9966)。

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