【インドネシア】HIOKI、研修拠点の開設で協業促進[電機]

HIOKIインドネシアが27日に開催したセミナーには、HIOKIの岡澤社長(左)が出席したほか、バンドン工科大学(ITB)や国営電力PLN、エネルギー・鉱物資源省などの関係者が講演者として登壇した=ジャカルタ特別州(NNA撮影)

電気測定器を手がけるHIOKI(日置電機、長野県上田市)のインドネシア販売会社HIOKIエレクトリック・インドネシア(HIOKIインドネシア)は27日、首都ジャカルタ東部に同社製品の研修を行う「トレーニングセンター」を開設したと発表した。HIOKIはインドネシアで認証機関、研究機関などとの関係構築を強化しており、トレーニングセンターの設置を通じて、さらなる協業機会の創出を図る。

トレーニングセンターは、東ジャカルタにある既存の校正・修理サービス拠点に隣接して設置した。

HIOKIインドネシアがジャカルタ北部で同日開催した「インドネシアにおけるエネルギー移行の水平展開」をテーマとしたセミナーで発表した。

今後は、顧客企業、大学、政府系研究機関などに対し、同社製品の計測器に関する研修を通じて、電気自動車(EV)や再生可能エネルギー機器などの知見を共有すると同時に、ニーズを把握して現地に密着したサービス展開に生かす。

同日には東ジャワ州スラバヤにも販売サービス拠点を開設したと発表。ジャカルタに続き国内2カ所目の拠点となる。

27日のセミナーに出席したHIOKIの岡澤尊宏社長はNNAに対し、インドネシアは2060年に「カーボンニュートラル」を目指すという政府方針が明確であり、トレーニングセンターなどを活用して広く協力関係を構築し、脱炭素を支援していきたい考えを述べた。インドネシアでは、電力会社が使用する再エネ電源関連の測定器需要が大きいほか、EVの市場投入が増えたことで、EV開発に関連した機器でも需要が伸び始めているという。

HIOKIは現在、グローバル販売網の構築に重点的に取り組んでいる。4月にはタイに子会社を設立。7月にはアラブ首長国連邦(UAE)ドバイでも子会社の設立を予定しており、ドバイが10番目の海外子会社となる見込みだ。

HIOKIの23年12月期の連結決算によると、売上高は前期比13.9%増の391億5,400万円、純利益が18.7%増の63億2,900万円だった。

インドネシアの23年12月期の売上高は3億2,600万円。24年12月期は25.8%増の4億1,000万円を目指す。

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