死体遺棄と損壊の罪で男6人を起訴 那須・夫婦焼損遺体事件で東京地検

事件の構図

 栃木県那須町伊王野の河川敷で4月中旬に夫婦の焼損遺体が見つかった事件で、夫婦の遺体を遺棄し、損壊したとして、東京地検は27日、死体遺棄と死体損壊の罪で、夫婦の長女の内縁の夫で事件の主導役とされる東京都世田谷区、会社役員の男(32)ら死体損壊容疑で逮捕された男6人を起訴した。事件を巡っては、指示役や仲介役とされる男ら4人が殺人容疑で再逮捕されている。県警と警視庁の合同捜査本部は、主導役ら残る2人も殺人容疑での立件を視野に捜査している。

 主導役の他に起訴されたのは、指示役とされる住所不定、無職の男(28)、仲介役とみられる埼玉県越谷市、建設業の男(25)、実行役とされる神奈川県大和市、韓国籍、無職の男(20)、住所不定、無職の男(20)、主導役の知人の千葉県船橋市、会社役員の男(36)の5容疑者。

 起訴状などによると、6人は共謀し4月16日、東京都千代田区、会社役員男性=当時(55)=と妻の会社役員女性=同(56)=の遺体を同品川区東五反田4丁目の空き家から、那須町伊王野の河川敷まで車で運搬し、ガソリンをかけて火を付け焼損し、遺体を遺棄した、としている。地検は認否を明らかにしていない。

 捜査本部のこれまでの調べで、主導役とその知人の男以外の4人は、被害者夫婦と面識がなかったことが分かっている。4人は報酬目的で夫婦の殺人と遺体の処理を頼まれたとされる。

 捜査関係者によると、主導役から依頼を受けた指示役は、仲介役に指示と報酬を流したとされ、仲介役は実行役に車を貸し、粘着テープやガソリンなどを準備。実行役の2人が夫婦を殺害し、仲介役から借りた車で那須町まで運んだとされる。

 主導役とその知人の男は黙秘を続けているとみられる。捜査本部は指示や報酬の流れ、動機や事件の経緯を調べる。

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