【体験談】和歌山県で「3200万円の注文住宅」を建てた夫婦。後悔したポイント&満足ポイント10選

ユーザーの実体験から住宅の専門家が解説

マイホームの取得は誰もが一度は思い描いたことがあると思いますが、実際に家を建てたことがある人の中には「もっとこうすれば良かった…」と後悔している方も少なくないでしょう。

引越し前の隣人調査事業を行なっている株式会社トナリスクが「家を建てて後悔したこと」について調査したところ、間取りについての後悔が38.2%で最も多い結果となりました。

調査概要は以下の通りです。

<調査概要>

  • 調査期間:2023年9月23日(土)~9月25日(月)
  • 調査対象:26~82歳の男女
  • 有効回答数:192件
  • 調査方法:Web上でのアンケート調査
  • リリース公開日:2023年9月30日

後悔した内容は、リビングやキッチンが広すぎて高額な光熱費がかかる、家族が減ることを考えずにたくさんの部屋を作ってしまった、窓や建具のサイズを特注にしたため費用が割高になった、などがあります。

注文住宅を建てる際には何度も住宅会社の担当者と打ち合わせをして、図面や見積書の訂正を繰り返したにもかかわらず、一度ではなかなか満足のいく家を建てることができないのが現実です。

しかし家を何度も建て替えるのは一般の人にとってはかなり難しいことなので、他の方の体験談が非常に重要になります。

そこで本記事では和歌山県で実際に注文住宅を建てた方の体験談を紹介させていただきますので、是非マイホームづくりの参考にしてください。

この事例は次のような方の体験談になります。

【居住地】和歌山県
【購入価格】3200万円
【現在の年齢】50歳代
【購入時の年齢】30歳代

※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。

注文住宅での後悔ポイント1:キッチンの高さが合わない

【写真1枚目/全3枚】注文住宅での後悔ポイント1:キッチンの高さが合わない。その他の後悔ポイントも次ページで続けて紹介

「キッチンの高さが低いため、調理をするたびに腰が痛くなる」

キッチンの高さを決める際には、一般的には「身長÷2+5cm」または「肘高(床から肘までの高さ)-10cm」が使いやすい高さとされていますが、調理中にスリッパを履いていたり個人差があったりして使いにくく感じてしまうことがあります。

このため、事前にキッチンメーカーのショールームなどへ行って、普段自宅で履いているスリッパを履くなどして実際の使い勝手を確認しておくことが大切です。

注文住宅での後悔ポイント2:玄関ドアの間口を広くすればよかった

「玄関の入り口が狭いため、玄関ドアを全開にしても大きな荷物の出し入れが大変です」

玄関ドアの間口が狭いと大きな荷物の出し入れがしにくくなって、ストレスを感じるようになります。

<住宅の専門家からワンポイントアドバイス>

筆者からのアドバイスとして、玄関ドアの開口はできるだけ広く(80cm以上)とるようにして、可能であれば親子ドアにしておくと大きな荷物を出し入れする際にも便利です。

注文住宅での後悔ポイント3:玄関から浴室までを近くすればよかった

「家の奥に浴室があるため、愛犬と散歩した後ですぐにお風呂に入れてあげることができず、不便です」

玄関から浴室が近いと帰宅してすぐに風呂場に直行できるので、愛犬や小さなお子様がいるご家庭の場合には非常に便利です。

しかし一方で、来客があって他の家族が玄関で立ち話をしている時にお風呂に入りにくい側面も。

<住宅の専門家からワンポイントアドバイス>

筆者の経験上、玄関近くにある浴室は北側に面していることが多く、冬場は非常に冷えて、ヒートショックのリスクがあったりします。

したがって玄関近くに浴室を配置する際には、このような点への配慮が必要になります。

注文住宅での後悔ポイント4:将来のために階段の勾配まで考えればよかった

注文住宅での後悔ポイント4:将来のために階段の勾配まで考えればよかった

「階段の勾配がやや急だったため、荷物を持っていたり寝ぼけていたりする時に足を踏み外しそうになって怖い…」

住宅の階段は建築基準法で蹴上や踏面などの寸法が定められています。

しかしこれは最低限の基準であるため、実際にはこの寸法では上り下りしにくい階段になってしまいます。

階段の上り下りのしやすさには個人差があり、今はよくても、加齢とともに階段の勾配に負担を覚えるようになってしまうこともあります。

階段を使用するさまざまな場面や将来のことまで十分考慮した上で、住む人が毎日安全に昇降できる階段にしておくことが大切です。

注文住宅での後悔ポイント5:吹き抜けが寒い

「吹き抜けは広々と感じるので良いと思ったが、冬場は寒々としているので不要でした」

家の中に吹き抜けがあると開放感があって、さらに吹き抜けの上部に窓を設けることで太陽光を室内に取り入れることができるので、部屋を明るくすることができます。

<住宅の専門家からワンポイントアドバイス>

一方で、吹き抜けを設置することで2階の床面積が減ってしまうとともに、空調が効きにくくなるので、冬は寒く、夏は暑くなりがちです。

したがって家の断熱性や気密性を上げるなど、夏の暑さと冬の寒さへの対策が不可欠となります。

また、吹き抜けがあると臭いや煙などが広がりやすくなるので、事前にメリットとデメリットを十分考慮した上で採用するかどうかを検討することが大切です。

注文住宅で満足したポイント1:浴槽を広くしてよかった

注文住宅で満足したポイント1:浴槽を広くしてよかった

「浴槽を広くしたので、足を伸ばした状態で湯船につかることができてお風呂が快適です」

浴槽が広いと足を伸ばして入浴することができるので、のびのびとお風呂を楽しむことができます。

<住宅の専門家からワンポイントアドバイス>

広い浴室は暖まりにくくて冬場は寒くなってしまったり、掃除が大変になったりするデメリットもあるので、この点には注意が必要です。

注文住宅で満足したポイント2:仏間を設置したら意外と便利

「以前は寝室となる和室に仏壇を置いていましたが、仏間を設けたことで仏壇を仏間に置けるので、作って良かったです」

専用の仏間を設けることで仏壇に合わせた快適な環境を整えることができるので、仏様やご先祖様への気持ちをしっかりと伝えることができるようになります。

<住宅の専門家からワンポイントアドバイス>

宗派によって仏壇の向きなどには決まりごとがあることが多いので、せっかく仏間を設けるのであればこの点には注意が必要です。

注文住宅で満足したポイント3:リビングの日当たりに満足

「リビングが日当たりの良い場所にあるので、冬場でも昼間は暖房なしで過ごせて快適」

リビングは家族が長い時間を過ごすことが多い部屋なので、家の中でも最も日当たりの良い場所に配置して、家族全員の家事動線や生活動線にも配慮が必要になります。

また広さについても十分なスペースを確保できるようにすることが大切です。

注文住宅で満足したポイント4:浴室乾燥機を設置してよかった

「雨天時にベランダに洗濯物を干すことができなかったが、浴室乾燥機を設置したので天候を気にしなくてよくなりました」

浴室乾燥機のメリットは、雨の日や強風の日にも洗濯物を干すことができるだけでなく、部屋干しよりも早く乾燥するので雑菌の繁殖を抑えることができるため、臭いが発生しにくいことがあります。

また花粉症対策にも役立つので、花粉の多いシーズンでも安心して洗濯物を干すことができます。

注文住宅で満足したポイント5:2階トイレを設置してよかった

「トイレが1階と2階の2か所にあるので、家族の誰かがトイレに入っていても、もう一方が使用できて便利です」

トイレが1階と2階にあるメリットは、生活リズムが被ってもトイレ渋滞が発生しにくいだけでなく、階段を上り下りせずにトイレに行けることです。

したがって家族の数が多いご家庭や来客が多いご家庭の場合には、2階にもトイレを設置することをおすすめします。

まとめ

マイホームの間取りを決める上では、無限の選択肢があるといえます。

そしてどんな間取りにもメリットとデメリットがあり、住む人によって正解が異なります。

国土交通省が5年ごとに実施している住生活総合調査によると、住宅に対する不満率は直近の調査において23.1%(非常に不満3.0%、多少不満20.1%)となっています。

すなわち、約4人に1人は不満を抱えていることになります。

マイホームのプランニングを行う際には、後悔が生まれないよう、さまざまな人の体験談を参考にすることが大切です。

必ずしも成功するとは限りませんが、一度真剣に悩んで結論を出したことであれば、いきなり想定外のことが起こるよりも納得できることが多いでしょう。

今回の記事をマイホームづくりの参考にしていただけると幸いです。

参考資料

  • PressWalker「株式会社トナリスク『家を建てて後悔したこと』」
  • 国土交通省「平成30年 住生活総合調査結果」

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