「今日の日本人選手には冴えがなかった」最終戦のラツィオ鎌田大地、決定機迎えるも今季3ゴール目ならず…現地メディアは「失点時のマークの不備」を指摘

現地時間5月26日に行なわれたセリエA最終節で、ラツィオはサッスオーロと1-1で引き分け、最終成績18勝7分け13敗の7位(ヨーロッパリーグ出場権獲得)で今季の全日程を終えている。

本拠地オリンピコでの今季ラストマッチ、ラツィオは60分にマッティア・ザッカーニがFKをゴール左隅へ鮮やかに突き刺して先制したが、その6分後にセットプレーからアウェーチームの同点を許し、以降はスコアを動かせないまま試合を終えた。

鎌田大地はこの一戦でもスタメンに名を連ねてフル出場。31分には左からのクロスをゴール前で合わせるという決定機を迎えるも、相手GKに阻まれて今季3ゴール目はならず。紆余曲折のシーズンを絞めるこのホームゲームでは、ボールタッチ88回(両チーム3番目・攻撃選手では最多)、シュート1回(枠内)、パス76回(成功68回)、キーパス1回、ドリブル1回、タックル3回(成功1回)、ボールロスト2回、ドリブルで抜かれた回数1回、ファウル3回というスタッツを記録している。
現地メディアの評価を見ると、スポーツ紙『Gazzetta dello Sport』は10点満点の採点で「6.5」と及第点以上、『Corriere dello Sport』紙、日刊紙の『Il Messaggero』、『La Repubblica』、『IL TEMPO』紙、『Il Resto del Carlino』紙、『LA STAMPA』紙は、いずれも「6」を与えた。

『Corriere dello Sport』は、「攻撃的なトレクァルティスタとしてプレーしたが、好機では相手GKアレッシオ・クラーニョに阻まれた。サン・シーロ(先制ゴールを挙げた前節インテル戦)での鎌田とは違った。サッスオーロの同点ゴールの場面では、厳密に言えば(得点者の)マッティア・ヴィティの最も近い位置に鎌田はいた」と寸評を綴っている。 一方、『Roma Today』紙は「5.5」と及第点に満たない採点で、「不調。クラーニョの見事なセーブによって、ゴールはならなかった」と厳しく評し、同採点とした『LEGGO』紙も「ゴールはクラーニョに阻止された。評価に影響を与えたのは、ヴィティに対する守備で、これが最終的な引き分けの原因となった」と、失点時に相手選手をカバーし切れなかった場面に言及した。

スポーツ専門サイト『OA SPORT』も同採点で、「今日の日本人選手には冴えがなかった。特に前線で動き回ることもなく、サッスオーロの守備にプレーを阻まれ、一時的に存在感を消されてしまった」と、チームの攻撃に影響を与えられなかったことを強調している。

対して、サッカー専門サイト『calciomercato』は「ラツィオの攻撃において、至る所で顔を出していた」とプレーへの関与は十分だったことを示したが、「前半にクラーニョの見事なセーブでゴールを阻まれた。そして、ヴィティのゴール時におけるマークの不備は致命的だった」とネガティブな点を指摘し、こちらも採点は「5.5」となった。
やはり同採点の『TUTTOmercatoWEB.com』は、「イゴール・トゥドール監督からの称賛の後、鎌田は不調な夜を迎えた。日本人選手にとって最高の試合とはならず、ライン間で苦戦し、その後は中盤にポジションを移され、さらに良いチャンスも逃した」と、この日本代表MFの今季最終戦を厳しく振り返っている。

最後にラツィオのクラブ専門サイト『LA LAZIO SIAMO NOI.IT』は、「トゥドール監督の要望を誰よりもよく受け入れ、ポジションに関係なく信頼を寄せられ続けている。トレクァルティスタとしてゴールに近づき、センターMFとしてプレーする際にも、ボールを上手く供給した。しかし残念ながら、失点の場面ではクリスティアン・トルストベットのFKで寝てしまったかのように、ヴィティに先を越されてしまった」として、こちらも採点は「5.5」を付与した。

構成●THE DIGEST編集部

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