パ・リーグ球団別週間MVP ソフトバンク栗原が12球団トップ 西武・岸、ロッテ安田が上昇気配

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栗原陵矢がサイクル安打超えの1試合4安打

プロ野球は開幕から2カ月が経過。パ・リーグは3位ロッテと4位オリックスのゲーム差が6と、AクラスとBクラスの差が大きく開いている。首位のソフトバンクは週末のロッテ3連戦で今季初の同一カード3連敗を喫したが、貯金16で首位をキープ。4勝2敗と勝ち越した日本ハムが4.5差で続く。

一方、12球団最速で30敗を喫した最下位の西武は、週末のオリックス3連戦で4カードぶりの勝ち越しに成功したが、26日の試合後に松井稼頭央監督の休養を発表。渡辺久信GMが監督代行を兼務し、チームの再建を図る。

SPAIAでは5月21日から5月26日までのwRAAを集計。本塁打数や安打数も含めて打撃面で貢献度の高い選手を「週間MVP」として球団別に紹介する。

wRAAとは、リーグの平均的な打者が同じ打席数の場合と比べてどれだけチームの得点を増やしたかを示す指標。平均的な打者なら0となり、貢献度が高いほど数値は大きく、低ければマイナスになる。wRAAが10なら、その打者が打席に立つことで、平均的な打者より10点増えたと評価できる。

首位・ソフトバンクは、栗原陵矢が12球団トップのwRAA4.2を記録した。21日の楽天戦(みずほPayPay)では2発を含む「サイクル安打超え」の4安打、先制タイムリー二塁打含む6打点で、21-0の大勝に貢献。週間でも17打数6安打の打率.353で、OPSは1.324をマークした。

プロ10年目の27歳は5月に入って絶好調。17試合に出場し、7度の複数安打を記録するなど月間打率.377、OPS:1.132はいずれもチームトップ。このまま好調をキープし、交流戦でも大暴れできるか注目だ。

岸潤一郎が打撃でアピール、安田尚憲は今季初猛打賞

監督交代の激震が走った西武では、岸潤一郎が12球団2位となるwRAA3.9を記録。先週は出場した全4試合でヒットを放ち、14打数7安打の打率.500、1本塁打、4打点をマーク。25日のオリックス戦で猛打賞、翌26日の同戦では八回の逆転直後に勝利を決定づける3号3ランで連勝に貢献。定位置獲得へ27歳外野手がバットでアピールしている。

2位と好調な日本ハムは田宮裕涼がwRAA2.9でチームトップだった。先週は6試合中4試合に出場、猛打賞を1度、マルチ安打を2度記録し、15打数7安打の打率.467、1本塁打、4打点をマーク。規定打席にはわずかに届いていないが、リーグ2位相当の打率.322とプロ6年目捕手が攻守の要として躍動している。

2分けを挟んで8連勝中のロッテでは安田尚憲が調子を上げてきた。21日の西武戦で今季初の猛打賞を記録するなど3試合に出場して、11打数6安打の打率.545。wRAA2.6で今季初の週間MVPに輝いた。ここまで0本塁打とまだまだ長打力は物足りないが、ここから持ち前のパワーも発揮し、クリーンアップに返り咲きたい。

太田椋が2週連続チームトップ、小深田大翔がチームの窮地救う一打

オリックスでは太田椋が2週連続チームトップとなるwRAA2.6を記録した。先週は全6試合でヒットを放ち、20打数8安打で打率.400をマーク。これで17日の再昇格後、9試合連続安打と23歳の若武者のバットが止まらない。

借金が8に膨らんだ5位・楽天は小深田大翔がwRAA1.2でチームトップだった。先週は16打数6安打の打率.375をマーク。26日の日本ハム戦では決勝のタイムリー三塁打を放ち、今季ワースト6連敗中のチームを救った。ここまでは打率.231と低調だが、昨季盗塁王の交流戦での爆発に期待したい。

プロ野球は今週から交流戦に突入。毎年この期間の成績によって順位が大きく変動している。普段対戦しないセ・リーグ球団との18試合をどのように乗り越えるのか、各チームの戦い方が注目される。



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