知ってる?「ブロッコリー」のビタミンCを流出させないためにできること

火を通すことでやわらかくなったり、苦味が減って食べやすくなる食材は多いもの。ところが加熱することで栄養が壊れたり流出してしまうこともあるため、栄養からみれば加熱はもろ刃の剣。食材ごとの加熱の注意点を知っておきたいですね。ビタミンCの王様ブロッコリーについてご紹介します。

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水につかる時間を最小限に抑える

ブロッコリーはビタミンCがレモンより豊富で、野菜のなかでもトップクラス。しかしビタミンCはゆでると半減してしまいます。ビタミンCを多く残すには、とにかく水に長くつけないこと。ゆでるときは小房に分けて短時間で。菜箸でかきまぜながらゆでれば加熱が早くなるので、ゆで時間を短縮できます。ざるに上げた後も余熱で火が通ることを計算し、かためにゆでるよう心がけましょう。

たっぷりのお湯でゆでるのではなく、少量の水でふたをして蒸しゆでにするか、電子レンジで加熱するのもおすすめ。ゆでた後、水にさらす必要もありません。そのまま冷ますことで、ビタミンCの流失や食感が水っぽくなるのを防げます。

【DATA】
旬:冬
保存期間:2〜3日(冷蔵庫)
主な栄養素:つけ合わせ1人分(正味40g) ビタミンC 48mg(葉、生)、ビタミンA(β-カロテン当量)324μg、食物繊維1.8g(生)

【注目成分】
・ビタミンA・C・E
三大抗酸化ビタミンであるビタミンA・C・Eは活性酸素を除去し、免疫力を高める働きもある。

・スルフォラファン
ブロッコリーやキャベツなどアブラナ科の植物に豊富。高い抗酸化作用があり、がん予防も期待できる。

【選び方】
緑色が濃く鮮やか。つぼみがすき間なく詰まっていて、中央がこんもりと盛り上がっているもの。

【保存法】
ポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室へ。日もちしないので、使いきれないぶんは小房に分けてかたゆで。ラップに包んで冷蔵庫へ。

POINT
・常温で保存すればブロッコリーのビタミンC量は3日で半減。ポリ袋に入れて冷蔵庫で保存しましょう。

・茎にもビタミンCやβ-カロテン、食物繊維など体にうれしい栄養がたっぷり。捨てずにいただきましょう。

電子レンジで栄養流失が少ない理由

電子レンジは、マイクロ波によって食品に含まれる水分を振動させ、摩擦による熱で水分子を熱くしています。外から水を加えないぶん、ビタミンがゆで汁に流れ出るのを抑えることができるのです。

生のままジュースやスムージーにすればスルフォラファンがアップ!

ブロッコリーには、発がん性物質の解毒を促進してくれるスルフォラファンが豊富。この成分は同じくブロッコリーに含まれるミロシナーゼという酵素と反応することで、活性化します。ミロシナーゼは熱に弱く、すりつぶすと働きが強くなるのが特徴。ジュースやスムージーなど、生のまますりつぶせば、ブロッコリーのスルフォラファンを効率よくとることができます。

※この記事は『調理 保存 食べ方で 栄養を捨てない食材のトリセツ』落合敏監修(主婦の友社)の内容をWEB掲載のため再編集しています。


監修者
栄養学博士・管理栄養士 落合 敏

おちあい•とし●千葉県立衛生短期大学教授、茨城キリスト教大学食物健康科学科教授、天使大学大学院非常勤講師などを務める。食べ物の栄養効果についてのわかりやすい解説が人気。『食べるクスリ 甘酒ヨーグルト』(主婦の友社)ほか著書、監修書、多数。

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