6月1日の開幕戦まで1週間となったバサジィ大分。リーグ戦の前哨戦となったオーシャンカップでは、シュライカー大阪に惜敗した。2回戦敗退と結果は残せなかったが、掲げる攻撃的なスタイルは随所に見られた。2試合で9得点は今季の目標である「1試合3点以上」のノルマをクリアしている。
練習時間の7割を費やしてきた攻撃は機能した。大阪戦では3点リードされた展開から、4得点して逆転に成功。逃げきれずに同点に追いつかれ、PK戦の末に敗戦したが、攻撃の爆発力を示した。なかでも2年目のリシ、今季加入のレオの外国籍選手は存在感を示した。いずれも個人能力が高く、一人でもゴールまで持っていける力がある。コンビネーションが高まり、周囲と生かし合う関係ができれば、彼らを止めるのは容易ではないだろう。
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狩野新監督は「悔しい結果となったが、選手は自信がついたと思う」と手応えを口にした。カップ戦後は2人組の戦術を落とし込み、連係などの熟成を図った。ここまで大きな負傷者を出さず、強度の高い練習を続けている。順調にチームづくりが進んでいると言えるだろう。攻守の潤滑油となる新戦力の斎藤日向は「個の力が攻守においてたけていて、集団として戦えるようになってきた。自分の役割は個々の力を引き出すゲームメークだと思っている」と言うように、それぞれが自分の役割を理解している。
気がかりなのは守備。「1試合2失点以下」を目指しているが、簡単な失点が目立つ。狩野監督は「相手コートでボール保持率を高め、ゴールに近いプレーをしている。ボールの失い方が悪いと一気にカウンターで失点することはあるが、攻撃に重きを置くことに変わりはない」と、攻撃重視の考えを変えるつもりはない。最後のとりでとなるゴールキーパー(GK)に頼る部分は大きくなるが、今季から専任のGKコーチを招聘(しょうへい)しており、常にハイパフォーマンスができる下地を作っている。
開幕までの残り時間で戦術の詰めと各自のコンディションアップに努めれば、攻守に隙のない新チームへと仕上がるはずだ。序盤でつまずいた昨季のようなことがないように、「開幕から飛ばしていきたい」(狩野監督)とスタートダッシュを狙う。
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(柚野真也)