クレジットカードは忘れたけど…鈴木愛が「思い出いっぱい」の地で全米女子

2年ぶり6度目の全米女子オープン(撮影/村上航)

◇女子メジャー第2戦◇全米女子オープン presented by アライ 事前(27日)◇ランカスターCC(ペンシルベニア州)◇6583yd(パー70)

羽田空港で保安検査場を通過し、出国手続きを済ませた鈴木愛は搭乗前に食事を済ませて目を疑った。支払いをしようとしたら、「クレジットカードが1枚も入ってない!」。自宅に忘れて出てきてしまったことに気付いたが、時すでに遅し。そのまま渡米した。

「全米女子オープン」前のリフレッシュも兼ねて目的地のニューヨークに着いたものの、“懐具合”は心もとない。もともと現金はそれほど持ち歩かないため、円安進行の昨今にあって米国で買い物をするハードルは高い。結局、セントラルパークやタイムズスクエアといった観光名所を歩いて巡るだけ。「お金もないし、お店にも入らず、なんも買ってない。ホント“散歩”です」と笑う。

「やってしまいました…」と照れくさそうに話すトラブルも、以前のメジャー出場時に財布を紛失しかけたことを思えば、少しだけ気持ちも軽くなる。「家にはあるから安心。ちょっとは成長したのかな」と冗談めかした。

ニューヨークでもいっぱい歩いてきたとか(撮影/村上航)

ショッピングを楽しめなかった分も含めて今週はゴルフに全集中。特に今回は2015年に初出場したコースであるランカスターCCが舞台だ。「(メジャーが)初めてだったので、全ホール覚えてます。思い出がいっぱい詰まっている」。この地で再び戦うことが今季の大きなモチベーションともなり、3月の2週連続優勝につながっている。

9年前に初めてメジャーを戦ったコース(撮影/村上航)

アップダウンが激しく、打ち上げのセカンドが多いコースは日本で20勝を誇る名手が得意とするところ。33位だった9年前と共通する「楽しみ」というフレーズも、意味合いはわずかに異なる。

激しいアップダウン攻略は得意(撮影/村上航)

「ただワクワクして、楽しくゴルフをする感じだった」前回から、経験と実績を積み重ねた分だけ期待値も上がるはず。「自分が活躍するためにこの場に戻ってきたっていう感じ。今年のいい状態で、米国でどれくらいできるか、自分自身でもすごく楽しみ」と力強く言った。(ペンシルベニア州ランカスター/亀山泰宏)

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