『古畑任三郎』過去回放送中も“発表ナシ”の『SMAP』&『木村拓哉』回はどうなる フジテレビからの回答

伝説の“SMAP回”は放送されるのか(C)ピンズバNEWS

5月24日から一挙放送が始まっている、田村正和さん(享年77)主演、三谷幸喜氏(62)脚本の人気ドラマシリーズ『古畑任三郎』(フジテレビ系)。

『古畑任三郎』は1994年4月13日に連ドラ版第1話が放送されてから、今年で30周年。それを祝してフジテレビは、平日の夕方帯(昼1時50分~3時45分、関東ローカル)の再放送枠『ハッピーアワー』で、連続ドラマ3シリーズ(94年4月期/96年1月期/99年4月期)に加えて、スペシャルドラマ『笑うカンガルー』(95年)、06年に放送された完結編『古畑任三郎 ファイナル』の『今、甦る死』、『フェアな殺人者』、『ラスト・ダンス』3本を放送予定だ。

「『古畑任三郎』はこれまで何度も再放送されてきましたが、権利上の問題などで放送されないエピソードもあり、その都度、話題になってきました。

今回もスペシャルドラマ『古畑任三郎 VS SMAP』(99年)が事前の放送予定に入っていないことに加え、これまでの傾向からシーズン2の第4話『赤か、青か』も放送されないんじゃないか、と危惧する声が出ています。後者は5月24日に公開された予告映像でチラリと映っていたため、可能性はあるかもですが……」(女性誌編集者)

『古畑任三郎 VS SMAP』は、SMAPが全員で共謀して殺人を犯し、それを古畑が追い詰める――というもの。SMAPが“同じ孤児院出身の幼馴染”となっているのを筆頭にフィクション性を強調してはいるが、現役アイドルが本人かつ殺人犯を演じるという、唯一無二の伝説回である。

『赤か、青か』は、木村拓哉(51/当時23)が演じる大学の電子工学部の研究助手が、遊園地の観覧車に爆弾を仕掛け、その過程で殺人も犯すストーリー。ネタバレは伏せるが、古畑が唯一犯人に手を上げた事件として有名な回だ。

上記の2エピソードは再放送される機会がないだけでなくフジテレビの配信サービス『FOD』でも配信されていないことから、

《嬉しいニュースだけど、これ、またSMAPとキムタク回はやんないのかな?》
《FODで配信されてないSMAP回、キムタク回等も再放送してほしいところです》
《キムタク回とかSMAP回は永久にみれないのかね》

といった声がX(旧ツイッター)に多く寄せられている。

なお、2022年に発売された『古畑任三郎 DVDコレクション』(デアゴスティーニジャパン)では木村単独出演回の『赤か、青か』は収録されたものの、『VS SMAP』は「都合により」未収録だった。

■SMAPの映像作品を管理する会社が“アンタッチャブル”に――

芸能プロ関係者は話す。

「再放送や配信が権利問題で難しい――よくある話ですが、SMAPと木村さんの回は、独立したメンバーや旧ジャニーズ事務所(SMILE-UP.)関係の権利問題が非常にややこしいことになっていて、それが原因で再放送が事実上不可能だと言われ続けてきました。

木村さん単独回は放送や配信は可能と考えられますが、悪目立ちするから再放送できないのでは――そういう言い方もされています。木村さんの出演回が放送され、SMAP回が放送されなかったら、“いまだに忖度があるのか”や“闇を感じる”といった声が殺到して炎上――そうした展開になりかねませんからね」

SMAPの映像作品の権利は、2005年6月に設立された旧ジャニーズの関連会社『株式会社ジェイ・ドリーム』が管理してるとされる。『ジェイ・ドリーム』はジャニー喜多川氏(享年87)が代表取締役社長、元SMAPチーフマネージャーのI氏が取締役を務めていた会社で、16年末のSMAPの解散後も“幽霊会社”として放置状態。

同社はこの4月に旧ジャニーズのマネジメント部門が新会社のSTARTO ENTERTAINMENTの新体制に移行してからも、まだ会社名に“ジェイ”がついたままで残っており、その代表取締役も長年、旧ジャニーズに勤めた名物広報マンの元副社長のS氏が務めたままになっているという。そして、元チーフマネージャーのI氏や元SMAPのメンバーが、同社の株式をかなり保有しているとも言われている。

「『ジェイ・ドリーム』はSMAPのための会社だったんです。それがSMAPが解散、I氏が退所したことで休眠状態となり、会社清算のためにはI氏や元SMAPメンバーとの話し合いも必要になると言われていて、相当ややこしいことになっているといいます。

昨年、ジャニー氏の加害が大問題化したこともあり、I氏や元メンバーも旧ジャニーズには近づきたくないはず。ジャニーズ事務所という社名が消えたことで、ますます『ジェイ・ドリーム』はアンタッチャブルな状況になったと言われていますね」(前同)

■フジテレビからの回答

前出の芸能プロ関係者は続ける。

「歌番組でSMAPの過去映像を流す程度なら、I氏が草なぎ剛さん(49)、稲垣吾郎さん(50)、香取慎吾さん(47)の新しい地図と独立して立ち上げた『CULEN』と、木村さんが契約しているとされるSTARTO社、そして独立した中居正広さん(51)の事務所『のんびりなかい』への許可取りで済むのでしょうが、ドラマ再放送となるとまた複雑で、相当困難だといいますね。

そして、今回の『古畑任三郎』の企画は30周年記念ではありますが、平たく言うと“再放送”。極めて大変な、交渉に労力がかかる手続きを踏んでまで、フジテレビサイドも許可取りをしないのではないか、そして、もし要請があってもSMAPサイドの対応はないのではないか、と言われていますね」(前出の芸能プロ関係者)

『VS SMAP』は再放送のラインナップに入っていないが、木村が出る『赤か、青か』は放送しないと明言されているわけではない。弊サイトがフジテレビに上記2エピソードの今回の放送の可能性を問い合わせたところ、

「放送の詳細については、随時発表してまいります」

という回答があった。

「ちなみに、旧ジャニーズとは無関係ですが『間違えられた男』(シーズン2の9話)、『古い友人に会う』(シーズン3の5話)も、権利上の問題で配信や再放送が行なわれていないエピソードとして有名です。

前者は権利問題に厳しいことで有名な『サザエさん』(フジテレビ系)の映像、後者はカラオケで複数の曲を歌うシーンがシナリオの肝になっていることから、配信や再放送できないと言われていますね。せっかくの『古畑任三郎』30周年なので見たいファンも多いでしょうが、これらも、放送されないかもですね……」(前同)

木村は、“台本を丸暗記して現場に持ち込まない”というプロ意識の高さを物語るエピソードがあるが、これは『古畑任三郎』の田村さんに触発されたからだと言われている。俳優・木村拓哉のルーツの1つでもある『古畑任三郎』での、“伝説のSMAP勢揃い回”をもう1度見てみたいものだが――。

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