「これは危険だ」 タッチパネル内を寿司が回る、話題のシステムを自宅用に作成 完成度の高さに驚きの声

タッチパネルで遊ぶ子ども(画像はスクリーンショット)

日々、進化をしている回転寿司。できあがったお寿司がレーンを回るのではなく、タッチパネルにお寿司の画像が流れていき、タップすると注文できるシステムがSNSで大きな話題になりました。それを受けて、子どものためにお寿司がタッチパネルを流れていくプログラムを自作した人が、X(ツイッター)で大きな注目を集めています。投稿者のそぞら@Raspberry Pi 電子工作(@sozoraemon)さんに詳しい話を伺いました。

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「息子が興味津々です」の声も

「ラズパイで自作した、はま寿司の流れるタッチパネル。子どもがエンドレスに注文して遊んでる」

そんなコメントを添えて投稿された動画には、タッチパネルに流れてくるお寿司を小さな指でタッチする様子が収められています。おいしそうなサーモンの握りをタッチすると、中央には「注文する」ボタンが。タッチすると「ご注文ありがとうございます」の文字が表示されました。しかし、そこは回転寿司店ではないようです。

タッチパネルの完成度に、リプライ(返信)には「欲しいww」「これは危険だ、リアルはま寿司でもエンドレスに注文する流れがwww」「自作できちゃうなんてすごすぎる」「お寿司、食べたくなってきた!」「息子が興味津々です」「ゲーム感覚になってる! おもしろい!」などの声が寄せられています。

多くの画像を一度に配置できるように画面設計を工夫

「Xのタイムラインで見た、はま寿司のタッチパネルのアイデアに感銘を受け、自分でも作ってみたいと思いました」という、そぞらさん。注文パネルの中を流れていくお寿司の画像をタップすると注文できるシステムで、はま寿司の一部店舗に導入されています。

そぞらさん一家は、はま寿司が好きでよく利用しているそう。とくに、お子さんはタッチパネルでの注文をとても気に入っているといいます。リクエストがあって製作したわけではないものの、お子さんはお寿司が流れているのを見つけると、パネルを操作しにすぐにやってくるほどなのだとか。

夢中になって遊ぶお子さんの様子から、「財布を気にせず、思う存分タッチパネルを操作させてあげたいという願いが叶いました」と明かします。

一度に多くの画像を配置するために工夫も【写真提供:そぞら@Raspberry Pi 電子工作(@sozoraemon)さん】

とくに力を入れたのは、「お寿司がたくさん流れているワクワク感を表現するため、できるだけ多くの画像を一度に配置できるよう画面を設計した」こと。画面の上下に黒い帯を追加して画面の矩形を調整し、より多くのお寿司を一度に表示できるようにしたそうです。

液晶画面の裏側【写真提供:そぞら@Raspberry Pi 電子工作(@sozoraemon)さん】

プログラミング教育でも利用されるラズパイを使用

自作のタッチパネルには、日本では「ラズパイ」の愛称で親しまれている「ラズベリーパイ(Raspberry Pi)」というシングルボードコンピュータを使用。実際の店舗で使用されるような、注文管理などに接続するものではなく、タッチパネルの楽しさを堪能するのに特化した作りになっています。

人によってはなじみが薄いラズパイですが、プログラミングや電子工作の基礎が学べる教材の側面も。自由研究の工作キットやプログラミング学習を行う学生をはじめ、幅広く活用されています。

そぞらさんは、「プログラミングや電子工作で遊ぶ楽しさを世界に伝える」を理念に掲げて活動。ゼロから電子工作を独学した経験から、入門者向けの情報を紹介するブログ「sozorablog」を運営するほか、「ラズパイPico W かんたんIoT電子工作レシピ」などの本も出版しています。

これまでの電子工作の中で、一番のお気に入りは「水族館のライブカメラ映像を楽しめる時計」。ラズパイのコンパクトさと省電力性能を活かし、時間表示の背景にYouTube動画を再生しているため、水族館の映像だけでなく、国際宇宙ステーションやオーロラのライブ映像なども楽しむことができるそうです。

「水族館のライブカメラ映像を楽しめる時計」とその裏側【写真提供:そぞら@Raspberry Pi 電子工作(@sozoraemon)さん】

さまざまな電子工作を楽しんでいる、そぞらさん。今回のプログラム製作では「空腹感を我慢するのに苦労しました」と明かしています。お子さんが夢中になって遊んでくれる姿を見れば、そうした苦労も吹き飛びそうですね。

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