わたせせいぞう氏が東京で50周年記念作品展、最新作含む「京都と東京の12か月」など展示、来年まで各地で

都会の恋愛模様をフルカラーで描いた漫画「ハートカクテル」の作者・わたせせいぞう氏が今年で「画業50周年」を迎えたことを記念した作品展が30日から6月11日まで大丸東京店で開催され、「京都と東京の12か月」を描いた全24作などが展示される。

「わたせせいぞう展~ハートフルTOKYO~」と題し、「東のカレと西のカノジョ、遠距離恋愛の2人の1年」をテーマにした作品が並ぶ。京都の12か月を季節の移ろいと共に描いた「暦を巡る冒険~京こよみ~」(12作品)に加え、新シリーズ「~東京こよみ~」(12作品)が2年の制作期間を経て完成。また、半世紀の歩みを振り返り、代表作「ハートカクテル」をはじめ、80年代から現在までの作品原画も多数展示される。

わたせ氏は、よろず~ニュースの取材に対し、「新作の描き下ろしは浅草・雷門前を横切る人力車に乗るカップルを表現した作品で、『一瞬の夏』を描きました」と語る。さらに、同氏は今後に向けて「来年いっぱいまで画業50年の展示会や企画展を各地でやります。京都や東京と同様に、各地の風景をモチーフにした作品も積極的に取り入れたい」と意欲的だ。

漫画家としてキャリア半世紀となる今年、2月にアニメの音源を集めたCD「ハートカクテル オリジナル・サウンドトラックス」、3月に「チョーク色のピープル Complete Edition」(玄光社)、5月にはシリーズ最新作「ハートカクテル カラフル」(小学館)と初の自伝的回想録「ボクのハートフルライフ―色彩の旅人の軌跡―」(立東舎)を発売。79歳にして精力的な活動が続く。関係者は「1987年制作の『チョーク色のピープル』は『ハートカクテル』の4ページ構成とは異なる8ページ構成で、先生が新基軸を打ち立てた作品です」と付け加えた。

会期中の6月1、8日には、わたせ氏のサイン会がそれぞれ午後1時から行われる。当日午前10時から、会場の11階催事場で先着150人に配布される整理券(税込2000円以上のグッズを購入したレシートと引き換え)を持つ人が参加対象となる。

(よろず~ニュース編集部)

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