中国の不動産市場支援策、小規模都市の銀行にリスクも=S&P

[北京 27日 ロイター] - S&Pグローバルは27日付のリポートで、中国が今月打ち出した不動産市場支援策について、小規模都市の銀行にリスクをもたらす可能性があると指摘した。

中国は頭金の要件緩和や住宅ローン金利の下限撤廃などを発表したが、S&Pグローバルによると、これらの措置で一時的な不動産需要増が見込まれるものの、レバレッジ拡大により住宅ローンのデフォルト(債務不履行)も増加する可能性があるという。

リポートは、小規模な3級都市の不動産価格が2024─25年に約14%下落する見通しだとし、これにより、一部の住宅購入者はローン残高が不動産価値を上回る状況に陥る恐れがあると指摘。

その結果、不動産を手放し、デフォルトする購入者も出てくる可能性があるとした。

S&Pグローバルのクレジットアナリスト、ライアン・ツァン氏は「住宅ローン金利の下限撤廃により、デフォルトが発生した場合に銀行が損失を吸収するバッファーが縮小することになる」と指摘。

銀行は損失を軽減するために債務不履行者の他の資産を差し押さえる際の追加コスト負担を余儀なくされるとの見方を示した。

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