6市村、安全対策工事視察 茨城・東海第2原発 首長ら工程の目安望む

東海第2原発で工事に不備があった防潮堤の基礎部分を視察する原子力所在地域首長懇談会の首長たち=東海村白方(代表撮影)

日本原子力発電(原電)東海第2原発の立地する茨城県東海村と周辺5市の首長でつくる、原子力所在地域首長懇談会(座長・山田修村長)が27日、同村白方の東海テラパークで開かれ、首長らが東海第2の安全対策工事を視察した。原電が防潮堤の施工不良による工事中断で、安全対策工事の9月完了予定を繰り返し「厳しい」としつつ現行計画を維持していることに、首長側は「工程をはっきりさせてほしい」と訴えた。

日立市を除く5市村長と原電の坂佐井豊東海事業本部長らが出席。同市は梶山隆範副市長が参加した。

防潮堤は、取水口を挟む北側と南側に地下50メートル以上の穴を一つずつ掘り、15.5メートル四方の鉄筋コンクリートの柱でそれぞれ支える仕組み。北側の柱の視察で、首長はコンクリートの充塡(じゅうてん)不足で鉄筋が見えたり、鉄筋が変形したりしている状況を確認した。

山田村長によると、非公開の意見交換で首長側からは、防潮堤工事が昨年6月から中断していることなどを踏まえ、安全対策工事の工期の質問が相次いだ。

山田村長は「(施工不良部分は)大変な不具合」で、安全対策工事も「私の感想として、9月に終わるとは思えない」と述べた。工事再開に向けて原電が原子力規制委員会の審査を受けていることに触れ、「審査結果が出たタイミングである程度の目安は示してほしい」と要望した。

原電の坂佐井同本部長は「工期を変更する事態があれば速やかにご連絡したい」と話した。

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