今夏は電気料金が恐ろしいことに!? 1世帯平均1,453円アップする理由と今できる節電テク【節約の専門家が解説】

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電気代が跳ね上がる夏が、もうすぐやってきます。今年の夏は昨年よりさらに電気代が高くなることが予想されます。その理由と、今すぐ検討すべきポイントを節約アドバイザーの丸山晴美さんに聞きしました。

なお、今回ご紹介する情報はすべて2024年5月時点の取材情報を基にしています。

みなさまこんにちは。節約アドバイザーの丸山晴美です。

お金にはトレンドがあって、その情報をキャッチできるか否かで、得する人と損する人に分かれます。私はみなさまに“お金の旬の情報”を“わかりやすく”お届けしていきたいと思います。今回のテーマは「今夏の電気代事情」!

この夏は政府の電気料金補助がなくなる上に、再エネ賦課金がアップ

2022年から始まった電気代の高騰。2023年は政府の補助金のおかげで比較的落ち着いていましたが、その補助金が2024年7月請求分(6月使用分)以降はなくなります。

6月請求分(5月使用分)も補助金額が半減され、これまで1 kWh(キロワットアワー)あたり3.5円の補助金が出ていたのが1.8円になります。

さらに、5~6月にかけて、電気料金に上乗せされる「再生可能エネルギー発電促進賦課金」が増額されます。2024年4月は1 kWhあたり1.4円だったのが、2024年5月分~2025年4月分までは3.49円と大幅にアップ。

これらを総合すると、5月使用分は1 kWh当たり4.79円の負担増、6月使用分からは1 kWh当たり5.59円の負担増となることに。

環境省の「家庭部門のCO2排出実態統計調査」によると、2021年の1世帯当たりの年間電気消費量は4,175 kWh(※1)で、月にすると約348 kWhです。これに上の数字を当てはめると、5月使用分の電気料金は約1,245円増、6月使用分からは毎月1,453円も増えるということになります。

毎月この金額が増えるというのは厳しいですよね。そのうえ、夏は冷房で電気代が上がりますから、今年の夏は電気代に注意が必要。いつにも増して節電をしっかりやることが大切です。

※1 環境省「家庭部門のCO2排出実態統計調査 家庭のエネルギー事情を知る」

電球4つをLEDに替えるだけで年1万2,000円も節約できる!?

節電の第一歩として検討したいのが、古くなった家電類の買い替えです。

たとえばエアコン。環境省のサイト「デコ活 くらしの中のエコろがけ」によると、2022年型は10年前の2012年型に比べて、電気代が年間約4,123円も節約できます(※2)

冷蔵庫も2022年製品は2012年製品に比べて、電気代が年間約4,557~6,107円もお得。

電球型LEDランプは、たった1個でも電気代が年間約2,883円減。キッチンや廊下などの電球を4個LEDに換えれば1年間で1万2,000円も節約できるのです。

今年の夏は電気代が上がるので、上記の金額以上にお得かもしれません。10年以上前の家電製品を使っている場合は、買い替えを考えるのも一案です。

家電を買い換える際は、製品の省エネ性能を示す「統一省エネラベル」をチェックし、省エネ性能が高いものを選ぶことが大切。

自治体によっては、「東京ゼロエミポイント」のように、一定の省エネ基準を満たす製品に買い換えると商品券や補助金などが返ってくる制度もあります。こうした制度は予算があり、上限を超えると打ち切りになる場合もあるので、早めに行動を起こすのがおすすめです。

統一省エネラベルはテレビや温水洗浄便座、炊飯器、電子レンジなど、さまざまな家電に取り入れられています。家の中の電化製品でそろそろ買い替え時のものはないか、チェックしてみてはいかがでしょう?

※2 環境省 デコ活「省エネ製品買換ナビゲーション しんきゅうさん」

教えてくれたのは・・・

丸山晴美さん

22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て2001年、節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザーなどの資格を取得。身の回りの節約術やライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどを、テレビやラジオ、雑誌、講演などで行なっている。著書は「シングルママの『お金に困らない』本」(徳間書店)、「50代から知っておきたい!年金生活の不安、解消します」(共著)(幻冬舎)、「お金を活かす ハッピーエンディングノート」(東京新聞)「節約家計ノート2024」(東京新聞)steady.特別編集「知識ゼロでもまるっとわかるお金の基本」(宝島社)など多数。

丸山晴美さんの公式サイトはこちら

取材・文/かきの木のりみ

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