豪小売売上高、4月は前月比0.1%増 予想下回る

[シドニー 28日 ロイター] - オーストラリア統計局が28日発表した4月の小売売上高は前月比0.1%増の357億豪ドル(238億ドル)だった。伸び率はアナリスト予想の0.2%に届かなかった。

高水準の借り入れコストと家賃の上昇に直面する消費者は慎重な姿勢を崩していない。3月は0.4%減だった。

統計局の小売統計責任者、ベン・ドーバー氏は、慎重な消費者が必需品以外の裁量消費を減らしているため、小売売上高は年初から横ばい傾向にあると指摘。

過去2カ月に関しては「小売業界の大部分で消費が弱い基調」で推移してきたとした。

4月の小売売上高は前年比では1.3%増だった。

豪州の人口が年率2%超で増加していることを踏まえると、小売売上高の伸びは弱い。1人当たりの売上高は7四半期連続で減少している。

住宅ローン金利と家賃の上昇による購買力低下が響いている。

キャピタル・エコノミクスのアジア太平洋部門責任者マーセル・ティーリアント氏は「年後半も消費の伸びがおそらく低調にとどまる見通しで、さらにインフレを下押しするだろう」と予想。

オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)の利下げ開始は来年初めになると見込んでいるが、「消費低迷の長期化は早期利下げに道を開く」と分析した。

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