WHO総会開幕、事務局長「パンデミック条約」の最終合意に自信

Emma Farge

[ジュネーブ 27日 ロイター] - 世界保健機関(WHO)の総会が27日に始まり、6月1日まで開催される。WHO加盟国194カ国の閣僚は、新型コロナウイルスで数百万人が死亡したことを踏まえ、そうした感染症のパンデミックへの対応強化に向けた新たなルール、いわゆる「パンデミック条約」について2年以上にわたり交渉しているが、24日までに総会での正式承認に向けた条文案で合意できなかった。

テドロス事務局長は27日に「当然、総会前の合意形成を望んでいた。意思のあるところに道は開ける。加盟国には依然として合意への共通の意思があるので合意を確信していることに変わりはない」と述べ、最終的な合意に自信を表明した。

ただ保健当局者らの間で交渉は難航している。バイデン米政権高官の1人は、米政府は引き続きこのプロセスに全力を注いでいるが、協議はあと1─2年かかるとの見通しを示した上で「フラストレーションがたまっている」と語った。

WHOによる新型コロナ緊急事態の宣言が遅すぎたとの批判を受け、新たな段階的警告システムなど、大流行に関する既存の保健規則の更新に向けた交渉はなお続いており、交渉担当者らは合意に近づいているとしている。

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