侍JAPAN監督/井端弘和が教える投手のボークで一番多い公認野球規則に引っかかる投手の牽制とは!?【少年野球 デキる選手はやっている「打つ・走る・投げる・守る」】

守る

野球の「打つ」「走る」「投げる」「守る」のプレーのうち、一番難しいのが実はこの「守る(捕る)」プレーです。その分、守れるチームは強いです。指導者はあせらずに根気強く見守りましょう。まず、【初級編】では捕ること、捕球動作。そして【中級編】では投手、捕手、一塁手の基本的な守備について。さらに【上級編】では内野手、外野手の基本的な守備について。また、カバーを含めたフォーメーション(守備位置、動き)について説明します。

投手の牽制

公認野球規則=「投手は、ボールを両手で身体の前方に保持して、完全に動作を静止したとき、セットポジションをとったとみなされる」。つまり、しっかりと静止する前に、「打者へ投球」するとボークになる。これが、少年野球の投手のボークで一番多いので注意する。

投手は牽制球を実際に投げなくても、投手板を外したり、走者に視線をやって「目で押さえる」。これらの行為は、走者のリードを小さくさせることができるので効果的である。

︎公認野球規則=「左投げ、右投げ、いずれの投手でも、自由な足を振って投手板の後縁を越えたら、打者へ投球しなければならない」

逆に言えば、左投手は、後縁を越えるか(=投球)越えないか(=投球or牽制球)、すれすれのところに右足を上げて一塁走者を惑わせるのも、技術であり武器である。なぜなら、牽制球は「走者のスタートを遅らせる」「走者を刺す」「相手の作戦を見破る」のが目的だからだ。

︎投手板から右足を外して牽制する

ボールデッドのゾーンに送球が入った場合、野手としての悪送球なのでテーク2ベース。

︎投手板を踏んだまま牽制する

ボールデッドのゾーンに送球が入った場合、投手としての悪送球はテーク1ベース)(一塁・三塁へは偽投禁止。

二塁への偽投は、左足を踏み出すことが必要。

【出典】『少年野球 デキる選手はやっている「打つ・走る・投げる・守る」』 著:井端弘和

【書誌情報】
『少年野球 デキる選手はやっている「打つ・走る・投げる・守る」』
著:井端弘和

侍JAPANの日本代表監督、井端弘和氏が指導する少年野球の基本的プレー解説書。野球の根幹になる「打つ」「走る」「投げる」「守る」の4つのプレーに関して、初級・中級・上級の難易度別にステップアップできるよう写真とイラストで丁寧に解説します。世界を代表する選手も、日本の部活でプレーする選手も、この4つの基本に関して特別違うことをするわけではありません。確実にプレーを習得しステップアップしていくことで、世界レベルの基本に迫れます。「教えて井端さん」の野球コラムも章ごとに掲載。少年野球をプレーする生徒、指導者にとって、基本を見直したり、知ってるようで知らなかったプレーを見直す、必読の一冊です。

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