エジプト兵、ガザ境界付近で死亡 イスラエル軍と銃撃戦との報道

ラフィ・バーグ、BBCニュース

パレスチナ自治区ガザ南部ラファ近郊のエジプトとの境界付近で、エジプト軍とイスラエル軍が関わった事案が発生し、エジプト兵1人が死亡した。イスラエルのメディアが27日伝えた。

エジプト、イスラエル両軍が、何があったのか調べている。

イスラエルのメディアは銃撃戦があったとしているが、詳しい説明はない。イスラエル軍に死傷者が出たとの報道もない。

イスラエル軍はイスラム組織ハマスに対する攻撃の一環として、ラファ検問所のガザ側を3週間前に掌握。以来、エジプトとイスラエルの間で緊張が高まっている。

エジプトはパレスチナを強力に支持しており、イスラエルに対しては、ガザで軍事作戦を進め、民間人を多数殺害しているとして非難している。

エジプトは45年前、イスラエルと平和条約を締結した最初のアラブ国家となった。両国は平和条約を保ってはいるが、その関係はたびたび冷え込んできた。とはいえ、双方の軍隊の間で死者が出る事態は珍しい。

イスラエル空爆を非難

この銃撃戦の数時間前には、エジプト外務省がイスラエルによる26日のラファ空爆を非難していた。

この空爆については、ハマスが運営するガザ保健当局が、少なくとも45人が殺害されたと発表。イスラエルを「無防備な民間人を狙った」として非難している。

イスラエル国防軍(IDF)は、この空爆でハマスの幹部2人を殺したと説明。空爆とそれによる火災で民間人に被害が及んだとされることについては、調査中だとした。

ハマスが2006年にガザで実権を握って以来、エジプトはイスラエルと同様、ガザとの境界を封鎖している。ハマスはイスラム主義組織「ムスリム同胞団」から分派した組織で、エジプトはテロ集団とみなして国内での活動を禁止している。

一方でエジプトは、ハマスとの対話のチャンネルは維持してきた。現在イスラエルとハマスの間で行われている、停戦協定と人質解放に向けた断続的な間接協議では、エジプトが仲介役を務めている。

(英語記事 Deadly strike on Rafah a tragic mishap, Netanyahu says

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