無類の勝負強さを発揮するカイリー…「彼はクラッチタイムのために生まれてきたのさ」

◆■ウェスト決勝を3戦無敗としたマブスで光る驚異的な勝負強さ

5月27日(現地時間26日、日付は以下同)に行われた「NBAプレーオフ2024」のウェスタン・カンファレンス・ファイナル第3戦。ホームのアメリカン・エアラインズ・センターで迎えたダラス・マーベリックスは、第4クォーター残り5分5秒にミネソタ・ティンバーウルブズのカイル・アンダーソンがジャンパーを決めたことで、2点を追う展開でクラッチタイムへ突入した。

「勝負どころというのは、僕らがお金を稼ぎ出すところなんだ。僕らは多くのチームがガードしなければならない状況でコートに立ち、自分たちのスキルセットを見せつけるのさ」

そう語ったのは、マブスのカイリー・アービング。チーム在籍2年目のスコアリングガードは、残り4分35秒にレイアップを決めて同点へ持ち込むと、PJ・ワシントンの3ポイントシュートをアシスト。その後チームメートのルカ・ドンチッチがジャンパーを決めると、今度はカイリーがステップバックジャンパーを放り込み、残り27秒にはフリースロー2本も決め切り、116-107でマブスの勝利に大きく貢献。

第3戦でカイリーは33得点を奪った[写真]=Getty Images

これでマブスはウェスト決勝を3戦無敗とし、「NBAファイナル2024」進出に王手。『ESPN Stats & Info』によると、マブスは1997-98シーズンのプレー・バイ・プレー導入後、プレーオフのシリーズを3勝0敗としたチームのうち、第4クォーター残り5分でリードを許しながらいずれも逆転勝ちを収めたNBA史上初のチームになったという。

なかでも3試合を終えた時点で、マブスは残り3分の攻防で24-11とウルブズを圧倒。レギュラーシーズンで試合時間残り5分で5点差以内のクラッチシチュエーションでリーグ2位の勝率71.9パーセント(23勝9敗)を残したマブスは、プレーオフでも6勝2敗(勝率75.0パーセント)と見事な戦績を残している。

そしてカイリーはウルブズとのシリーズ3戦で、第4クォーターに計31得点を奪っている。これはイースタン・カンファレンス(ボストン・セルティックスとインディアナ・ペイサーズ)も含めた4チームで最多。そんなカイリーの勝負強さに、同僚ドンチッチも脱帽していた。

「もう信じられないね。だから彼は“第4クォーターの男”と呼ばれているんでしょ? 最高さ。彼はクラッチシチュエーションのために生まれてきたのさ。だから僕らは彼にボールを託すだけ」

第3戦で、マブスはカイリーが33得点4アシスト、ドンチッチも33得点7リバウンド5アシスト5スティールと両輪が大暴れ。さらにワシントンが16得点8リバウンド、デリック・ジョーンズJr.が11得点と続いた。

NBA史上最高のバックコートデュオという声もあるのだが、カイリーは「僕らが一丸になって(チャンピオン)リングを勝ち取れなければなにも意味がない」と冷静に受け流しており、29日の第4戦でシリーズに決着をつけることにフォーカスしていた。

ちなみに、カイリーはプレーオフのシリーズで王手をかけて臨んだ試合で14戦無敗を誇っている。マブスにとっては頼もしいベテランで、相手のウルブズにとっては脅威でしかないだろう。

【動画】ウェスト決勝第3戦で33得点を奪ったカイリーとドンチッチ!

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