東芝未来科学館、一般公開終了…6/29で63年の歴史に幕

東芝未来科学館

東芝は2024年5月23日、運営する科学教育施設「東芝未来科学館」の一般公開を終了すると発表した。63年にわたり子供から大人まで親しまれてきた東芝未来科学館は、6月29日をもって一般公開終了となる。今後は東芝の事業ポートフォリオに沿う形で、法人向けに「産業遺産の保存・歴史の伝承」を担う施設として継続する。

東芝未来科学館は、1961年11月に東芝小向地区に「東芝科学館」として開設。2014年1月に現在の川崎ラゾーナ地区へ移転し「東芝未来科学館」へと名称を変更しながら、60年以上にわたり、科学技術のすごさ・おもしろさを楽しく伝え、東芝の最先端技術が生み出す豊かな社会をPRする施設として親しまれてきた。

今回、東芝の事業ポートフォリオがBtoCからBtoBへ移行していることに伴い、東芝未来科学館の役割を見直す形で、6月29日をもって一般向けの公開を終了する。

個人の見学予約は最終日の6月29日まで受付。イベント予約も同日をもって終了とする。なお、学校・一般団体、企業については、5月23日までに予約している7月・8月の見学について、予約日時に見学することが可能。

東芝未来科学館は、Webサイト上で「長きにわたるご愛顧、ご利用、誠にありがとうございました」と感謝を伝えるとともに、公式Xアカウント(旧Twitter)にて「『すごい!』と驚いたり『楽しい!』と喜んだり『まだ帰りたくない!』と言って頂けたことのどれもが、今でもそしてこれからも私たちの宝物です」と投稿。

さらに、「皆様が『残念』と思って頂けているように、私共現場の館員も皆様をお迎えできなくなると思うと、残念で悔しくてたまりません。ですが、6月29日まではご来館頂ける皆様へのおもてなしに尽力して参りたいと思います」と続け、これまでの感謝と最後まで多くの人の来館を待ち望んでいることを伝えた。

川崎駅徒歩3分の好立地に加え、入場無料、東芝の歴史や最先端技術が体験できる施設の公開終了に、公式Xアカウントには「小さい頃父親に連れて行ってもらった、大変楽しかった思い出です」「親子3代でお世話になりました」「科学の楽しさをここで学びました」といった声や、「有料化して存続してほしい」「見にいくことができなくなるのはとても寂しい」など一般公開終了を悲しむ多くの声が寄せられている。

畑山望

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