町田に勝点12差をつけられ、東京Vの足音が近づく。FC東京の歯車が噛み合ってない現状は松木の発言からも...

リーグ3連勝した頃の勢いはどこに行ったのか。直近のリーグ戦でガンバ大阪に敗れたFC東京のパフォーマンスを記者席から見ての感想だ。

チームパフォーマンスがパッとしなかったG大阪戦を経て、FC東京はリーグ4試合勝ち星なし。歯車が噛み合ってない現状は、G大阪戦後の松木玖生の発言からも窺い知れる。

「全員がボールに関わりながらチャンスがあれば背後を狙っていくとか。第一優先が背後というのは問題ないですが、そこが特化してしまって攻撃に怖さがない。ガンバの選手に『全然怖くなかった』と言われて。そこはちょっとチームとして考え直さないといけないと思いました」

衝撃的だったのは、「ガンバの選手に『全然怖くなかった』と言われて」という部分。対戦相手にそう指摘されるのはある意味、屈辱である。それを包み隠さず、メディアの前で述べてくれた松木は“このままではダメだ”というメッセージを発信してくれたのだろうと、勝手にそう思う。

事実、松木はこうも言っている。

「前半なんて全然攻めることができなかった。自分たちはボールを保持するサッカーをやっていますし、守備に回るようなチームではないです。なので、改善しないといけません」

「サイドバックにボールが入ると、すぐに裏に蹴っちゃうとか、そういうシーンがこの数試合で見られている。第一優先で縦はいいです。でも、そこがなくなったときの次の考えが大事です。ですので、ボールを保持するサッカーをやらないといけないと思います」

このコメントから察するに、FC東京は戦い方に多少なりとも問題を抱えている。別の言い方をすれば、縦に早い攻撃が相手に研究され、それを封じされた際の次善策が見当たらないということだ。

気付けば、FC東京はJ1リーグの9位。首位のFC町田ゼルビアに勝点12差をつけられ、東京ヴェルディに勝点2差と迫られている。同じ東京のクラブとのこの差からも、危機的状況は窺えるだろう。

ピーター・クラモフスキー監督は今年続投を発表した際、「東京は青赤だ」とメッセージを残している。この言葉に説得力を持たせる意味でも、クラモフスキー監督は結果を出す必要があるだろう。

文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

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