『95』髙橋海人が松本穂香のために銃を取る 新村の父親と判明した“意外な人物”

ドラマ『95』(テレビ東京系)が最終局面に向けてさらに面白くなってきている。第8話では、本作の最大の謎であった新村(桜井ユキ)の父親が誰であるかが明らかになる。

それはつまりセイラ(松本穂香)の相手が誰であるかということになるが、筆者はてっきりQ(髙橋海人)であると思い込んでしまっていた。夏祭りの後にホテルへと向かったあの一夜での出来事。2024年の現代で、新村も母・セイラの日記に「Q」という文字が頻発していることから、秋久(安田顕)が母の相手であり、自分の父親であると決め込んで「逃げんじゃねえよ。クソ野郎。地獄に落ちろ」という乱暴な言葉をぶつけたこともあった。

だが、新村の誕生日は1996年8月31日。逆算すると1995年11月~12月頃の子供ということになり、Qとの一夜とは時期がズレることになる。実際、秋久はその一夜に行為ができないまま情けない結果に終わったことを心の中で回想しており、涙ぐみながら新村に向けて「セイラが守り抜いた俺たちの希望だ」と語りかけている。

その相手とは翔(中川大志)。高一の春、渋谷に戻ってきたセイラに翔は告白するも、断られていた。その理由は牧野(三浦貴大)との援交関係があったため。牧野は女を金に換え、脅すために行為中の写真も撮影していた。政治家の家系にある翔がセイラと付き合うことで、牧野に揺すられてしまい、互いが傷つき合う。翔とセイラは思いあいながらも一緒になることが叶わなかった。理解はしながらも、納得はできないQの“主役”としての説得の甲斐もあり、翔は家を出てセイラと一緒になることを決める。それが自分の幸せであると分かったから。 Qの部屋のカレンダーは1995年12月。20日には「牧野」という印があり、31日には「大晦日花火打上計画」のマークがされている。すでに加奈(浅川梨奈)が産婦人科でセイラとニアミスしており、ここから“希望”を守り抜いていくフェーズへと突入していくということだろう。

翔にチームの一員として「手伝わせろ」と言ったQが向かったのは、牧野のいる事務所。スーツにオールバックという身なりからも覚悟が伝わってくる。一緒についてきた栗田健吾(井上瑞稀)が早々に退場させられ牧野はQと2人きり、緊張感が走る。欲しいものは、金か女か。問われたQが返したのは、「問題を解決する力」。援交時のセイラの写真だ。そのことを牧野も理解しつつ、テーブルに置いたのは1丁の銃だった。

「これこそ問題を解決する力だよ」「やるべきことをやるんだよ」と牧野はQに投げかける。この銃から想起されるのは、第1話冒頭でインサートされたQが翔へと銃口を向けたシーンだ。
(文=渡辺彰浩)

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