中国四川省、世界レベルのクリーンエネルギー拠点構築を推進

中国四川省、世界レベルのクリーンエネルギー拠点構築を推進

四川省カンゼ・チベット族自治州道孚(タウ)県にある雅礱江道孚揚水発電所の完成予想図。(資料写真、カンゼ=新華社配信)

 【新華社成都5月28日】クリーンエネルギーで独自の強みを持つ中国四川省は水力・風力・太陽光・水素・天然ガスなど複数のエネルギーによる相互補完型の発展を推進し、世界レベルのクリーンエネルギー拠点の構築を急いでおり、エネルギーの優位性を発展の優位性へと転換している。同省発展改革委員会の代永波(だい・えいは)主任がこのほど、国務院新聞(報道)弁公室の記者会見で明らかにした。

 四川は中国の重要な天然ガス生産拠点で、域外への天然ガス輸送量は年間生産量の40%を占める。2023年の域外輸送量は223億立方メートルに上った。同省は現在、重慶市と共同で、1千億立方メートル規模の国家天然ガス(シェールガス)生産拠点を建設している。西部地域の天然ガスを東部地域に輸送する「西気東輸」プロジェクトにさらに寄与するという。

 四川は中国の重要な水力発電拠点でもある。現時点の水力発電設備容量は約1億キロワットで、設備容量と年間発電量はいずれも全国首位に立つ。四川の大きな強みは水力・風力・太陽光発電の相互補完である。水力発電資源が集中する大渡河、金沙江、雅礱江(がろうこう)の「三江」流域は風力、太陽光資源が最も豊富な地域でもある。同省は現在、雅礱江流域で水力・風力・太陽光発電一体化拠点を建設しており、完成後の設備容量は約8千万キロワットに上る見通し。

 四川は西部の電力を東部に送る「西電東送」プロジェクトの重要なハブでもある。現時点で超々高電圧(UHV)直流送電線7本と500キロボルト交流送電線9本からなる送電網を構築している。同省は過去10年、長江デルタ地域(上海・江蘇・浙江・安徽1市3省)にグリーン電力1兆4千億キロワット時以上を送電した。23年の華東地域への送電量は同地域6千万世帯の1年分の電力消費量に相当する。

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