友人が「夫は年収400万円しかない」と嘆いていました。友人とあわせると「世帯年収700万円」で生活には困らないと思うのですが、それでも足りないのでしょうか? 友人も私も地方在住です

35~39歳男性の平均年収

厚生労働省の調査によると、正社員・正職員の大企業における35~39歳男性の平均年収は、約37万8000円です。月額給与の37万8000円を基準に、夏季・冬季の賞与を月額給与1ヶ月分×2回と仮定して年収を計算すると、約529万円と推測できます。

一方で、今回のケースの35歳男性の年収は400万円であるため、前述したの大手企業における35~39歳男性の年収529万円を下回っています。

ただし、収入以外の生活環境次第では、平均よりも収入が少ないとは言いきれません。生活スタイルや価値観によっては、十分豊かな生活を送れている可能性も考えられます。

30代夫婦が1ヶ月に必要な生活費

今回のケースの場合、夫の400万円と妻の300万円を合わせて700万円です。手取りは収入の7~8割とされていることから、ここでは夫婦の手取り額を夫310万円・妻236万円、手取り世帯年収546万円とします。

そして30代夫婦の生活費は様々な要因によって異なりますが、総務省の2024年2月分調査によると、2人以上の世帯の消費支出の平均は27万9868円とされています。

この金額には、日常生活で必要とされる食費、光熱費、その他の日用品費が含まれます。今回のケースでは夫婦二人暮らしのため、世帯の手取り年収が546万円で、年間の支出額が約336万円(約28万円×12ヶ月)であれば、生活に困ることはないでしょう。

キャリアプランニングと収入増

35歳で年収400万円の夫と300万円の妻の場合、世帯年収は合計700万円で手取りは約546万円となるため、生活するために十分な額ともいえるでしょう。しかし、将来的な貯蓄や不測の事態に備えるためには、さらなる収入アップやキャリアプランニングを望む人も多いと思います。

具体的に、生活費を抑えるための節約方法としては、まずは固定費の見直しからはじめる方法がおすすめです。不要な定期契約を見直したり、光熱費を節約したりすることで、月々の支出を減らせます。

また、外食を控え自炊を心がけることで、節約につながります。さらに、クレジットカードのポイントの活用や、ショッピングアプリでの割引を利用することも効果的です。

より高い収入を目指すためには、専門的なスキルや資格を取得することが有効です。需要の高い分野での資格取得は、昇給や転職市場での競争力を高められると考えられます。

35歳男性年収400万円でも妻と協力して豊かに暮らせる

35歳男性で年収が400万円であっても、世帯年収700万円であることを加味すれば、決して生活できない年収ではないことがわかります。また年収400万円が30代の夫婦にとって十分かどうかは、その家庭のライフスタイルや将来設計によって大きく変わります。

大切なのは収入と支出のバランス、そして適切な生活設計です。そして、さらに経済的な余裕を得るためには、キャリアの見直しや収入増の戦略が重要になってくるでしょう。

出典

厚生労働省 令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況
総務省 家計調査報告 ―月・四半期・年―

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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