ZOOM UP 自主的な見回りで犯罪抑止し18年 桜町自治会防犯パトロール隊 秦野市

桜町自治会防犯パトロール隊のメンバーら

▽住民有志が自主的に防犯組織を立ち上げ、朝夕夜とパトロールを行っている自治会がある。それが秦野市役所周辺である桜町自治会だ。18年に渡り防犯パトロールを続けており、現在は13人のメンバーが活動を行っている。

▽きっかけは2006年の夏にあった市役所裏手での不審者情報。当時の自治会役員で、現在は桜町自治会会長を務める山口治夫さんが「パトロールしてみたらどうだろうか」と提案したのが始まりだった。「子どもたちや、仕事を終えて夜遅くに帰ってくる女性など、怖いんじゃないかと思ってね」と話す。見回りができる人はいないかと町内で有志を募ったところ、10人ほどが手を挙げた。そこで同年12月、「桜町自治会防犯パトロール隊」として組織を立ち上げたという。

▽特徴的なのが、パトロール活動の方法だ。メンバーは仕事を持つ働き盛りの世代から高齢者まで様々で、当然、活動時間も異なる。そこで取り入れたのが、それぞれの得意な時間にパトロールを行ってもらう、ということ。子どもたちの登校などにあわせた「朝」グループ、下校の見守り隊としての役割も担う「夕方」グループ、そして火の用心も兼ねて9時に見回りを行う「夜」グループの3つに分かれて活動をスタートした。現在は朝と夕方グループは月2回、夜グループは月4〜5回程度、町内をパトロールしている。

▽「夜は拍子木も叩きながら回っているから、地域の人に『この音を聞くと安心する』と言われる」。立ち上げ当初からメンバーそれぞれが無理をせず、自主的に”楽しく”参加していることが、18年に渡って継続している理由だという。「近くの桜町交番にも顔を出したり、パトロールすることで不審者も出なくなった。犯罪認知件数は市内でもトップクラスで少ないと思う」と山口さん。「どう維持するかは常に考えないといけないけど、こうした活動が市全体に広まればいいね」と話した。

© 株式会社タウンニュース社