不漁続く佐渡のカキ養殖 広島から稚貝仕入れ 対策は【新潟・佐渡市】

不漁続く佐渡のカキ養殖

佐渡市の真野湾で、養殖されているカキの不漁が続いています。原因は、クロダイなどの魚による食害で、市の支援も受けて漁師が対策を進めています。

5月25日、佐渡市沢根地区の漁港に届いた約2万枚のホタテの束。5mmほどに育ったカキの稚貝が付着しています。ホタテ1枚あたり30個前後。広島県の江田島湾で育てられたものです。沢根地区では10軒ほどの漁師が真野湾でイカダ100台を使ってカキを養殖しています。

以前はひと冬でむき身で約3tを水揚げしていました。しかし、ここ5年ほどは激減していて、この冬は600kgほどでした。

その原因がクロダイなどの魚による食害でした。水揚げの減少から資金繰りが難しくなり、佐渡市が2年間の援助を決めました。今回の稚貝の費用は約55万円で、半額を市が補助しています。

■佐渡市農林水産振興課 小熊智也主事
「真野湾の沢根のカキは、地域に根付いた重要な産業になっていますので種ガキが大きくなること願っています。」

ホタテの束は6月以降、養殖ロープにつなぎなおします。その際は団子状に丸めて吊り下げます。すでに一部試験的に実施しているものは、丸めることで外側は魚の食害にあっても、内側が守られているといいます。

ただ、丸めてスペースが狭まることでカキの生育が遅れ、通常より1年ほど長い2年半から3年の養殖期間が必要になります。

■佐渡漁協沢根出張所カキ部会 鈴木辰男さん
「なるたけ私たちも努力して収益上がるようにしたいんですけど自然相手なもので。試行錯誤しながら頑張りたいと思います。」

秋には、三重県からホタテ5万枚分の稚貝も仕入れる予定です。魚の活動が鈍くなる冬に向けて稚貝を下げることで、食害を減らす狙いです。今後の成果が注目されます。

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