ECB、銀行の健全性審査を見直しへ 監督委トップがブログで表明

[フランクフルト 28日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)銀行監督委員会のクラウディア・ブーフ委員長は28日、金融機関の経営環境の変化に適応させるため、毎年行っている健全性評価プロセスを見直す考えを示した。ブログで明らかにした。

プロセスを短くするが、場合によっては介入を強化する。「効率性と有効性を高めるため、銀行監督上の検証・評価プロセス(SREP)は修正される。新しいリスク許容度の枠組みなどここ数年で実施された変更を踏まえつつ、それを超える形となる」とした。

今年後半から徐々に実施され、2026年に最終決定されるとの見通しを示した。

ブーフ氏は「SREPは短くなり、リアルタイム監督に近づく」とし「リスク環境が急速に変化していることを踏まえると、この重要性はかつてないほど高まっている」と述べた。

ECBの評価で銀行のリスクプロファイルに重大な変化がなければ、SREPの決定事項の更新は2年ごとになる可能性がある。

ただ、ECBが介入を強化するケースもあるとし「特定された弱点の是正が不十分な場合、監督ツールの強度を速やかに上げる」と表明。法的拘束力のある質的要件や罰金を含めた強制措置の利用を拡大すると述べた。

銀行側は、ECBのSREPは煩雑で、経済の大きな変化や戦争といった地政学的ショックに対応するよりも、チェックボックスにマークを入れることに重点を置いていると批判してきた。

シンクタンクであるブリューゲルの専門家、ニコラス・ベロン氏は、今回の動きはECB銀行監督委が手続きの合理化を進めていることを示していると指摘した。

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