<インタビュー>ジェフ・チャン(張信哲)、【Continuum】最終ツアーで一つの章を終えて新たな章へ

1998年6月12日、ジェフ・チャン(張信哲)は【Dream Comes True】と題した自身初となる大規模コンサートを上海体育館で開催し、観客を魅了した。それから26年後の2024年に、自身が【Continuum】のアルティメイト・エディションを上海スタジアムで8万人の観衆を前に行うことになるとは予想できなかっただろう。

【Continuum】のアルティメイト・エディションは、今年4月に上海で行われたコンサートでデビューをした。バージョン1.0から2.0、そして今回のアルティメット・エディションへと移行した6年間に及ぶ【Continuum】 ツアーは高い評価を得たが、ジェフ・チャンは、時折漠然とした、言い知れぬ “無力感”を経験すると告白する。「昨年のツアーは大成功を収めましたが、私の世代のアーティストには合わないのではないかとほのめかす批評家もいました」

古典的なコンセプトを、ノスタルジーを呼び起こすためだけの過去の遺物と見なすものもいる。ジェフ・チャンが 【Continuum】ツアーに乗り出す決断をしたのには、こうした背景があった。「観客をより成熟した音楽鑑賞へと導き、その過程で既成概念に挑戦することを目指しています」

上海スタジアムは、物理的には上海体育館からわずか100メートルしか離れていない。しかし、ジェフ・チャンにとって、この距離は26年にわたる旅路を意味する。 【Continuum】でのこの旅を振り返り、ジェフ・チャンは、「私は、26年かけてこの100メートルの距離を横断してきたんです!」と語った。この比喩は、彼の音楽への揺るぎない献身を端的に言い表しており、音楽は彼の35年に及ぶキャリアの礎となってきた。

◎観客とともに未来へ踏み出す

【Continuum】アルティメイト・エディション・コンサートの幕開けは、ジェフ・チャンによる2000年の大ヒット曲「Faith」だ。彼の音楽に対する揺るぎない情熱は、彼の音楽に対する揺るぎない情熱は、歌詞に書かれているようにはっきりとした信仰だと言えるだろう。この音楽への揺るぎない信念があるからこそ、ジェフ・チャンと彼のファンたちが、【Continuum】コンサートで一体となり、生命力そのものと共鳴するチャンの歌声に魂からの力を感じるのではないだろうか。

「ある程度キャリアを積んできたシンガーであることから、リスナーはすでに私の歌を深く理解しており、私たちは互いに成長し支え合ってきました」とジェフ・チャンは振り返る。「自分の音楽の旅と成長が停滞することなく、ファンの成長と同じペースであることを望んでいます。【Continuum】コンサートは、私の音楽が思い出やノスタルジーに留まることなく、ファンと一緒に新しい未来に乗り出すことを示す意図で企画しました」

「【Continuum】コンサートの各セクションに、観客に伝えたいメッセージを込めています。たとえヒット曲でなくても、私の音楽キャリアで重要な意味を持つ曲を厳選しました。私は、どのアルバムでも経験、コンセプト、音楽的知識を伝えることを目指しています。コンサートの全体的なアレンジを通して、“観客の皆さんと一緒に未来に乗り出す”というコンセプトを伝えたいと考えています」

◎一つの章の終わり、もう一つの章の始まり

ジェフ・チャンの【Continuum】コンサートにおける“アルティメイト(究極)”という言葉は、6年間に及ぶ【Continuum】ツアーがついに完璧な結末を迎えることを意味している。「長い旅路だった【Continuum】は、ステージとしてそろそろ終わりを迎えます。自分にとって同じように必要不可欠な音楽活動が他にもあるのです」

一つのステージの終わりは、新たな章の始まりを意味する。【Continuum】アルティメイト・エディションは、最終公演を迎える前に会場に集まり、音楽を体験するあらゆる機会をつかむよう促す、ジェフ・チャンからのリマインダーだ。

6月の【Continuum】アルティメイト・エディションのドバイ公演は、ドバイ公演を行う初の中華圏の歌手として、ジェフ・チャンにとって重要な意味を持つ。「私たちはドバイでの公演に全力を尽くしています。海外の主催者は、歌手が歌唱し、あとはすべて必要最小限で問題なければいいと思う場合があります。ですが、私にとってそれでは十分ではありません。【Continuum】のコンサート体験を海外でも完全に再現したいのです」

もし大きな夢が叶うとしたら、ジェフ・チャンは【Continuum】 の最終公演をどこで開催するだろうか?意外にも南太平洋に位置するイースター島だという。「すべての大陸からも遠い“世界のへそ” のような場所です。イースター島でコンサートを開催できれば、まさに“究極”の体験になるでしょう。まるで、皆さんのために世界の果てで歌っているような感じになるでしょう」

◎未来を受け入れる

【Continuum】アルティメイト・エディションの全公演を終えた後、ジェフ・チャンはニュー・アルバムの制作に専念する。前作『シー・ザ・ライト』のリリースから3年が経ち、ジェフ・チャンの熱烈なファンたちは新作の到着を心待ちにしている。「現在、ニュー・アルバムの曲はほぼ最終決定しており、収録曲の約80%がすでに確定しています」

この新しいアルバムでの彼にとっての最大の難関は、“ラブ・ソングではない曲”の割合が大幅に増えたことだ。「ニュー・アルバムでは、ラブ・ソングを相対的に減らして、私の世界に対する視点や感情をもっと表現するかもしれません。これまでの私の定番ラブ・ソングは、すでにこの感情をほぼ網羅していると感じています。ですので、そろそろ恋愛以外のことについても歌い始め、アルバムを通じてより広い考えを伝える時期だと思っています」

ジェフ・チャンは、新しいアルバムを自身の快適な領域から“一歩踏み出す”冒険的な内容だと表現している。これまでの彼のラブ・ソングと比べると、新しいアルバムはより批評的で、牡羊座である彼の性格の真髄を表現したものになるだろう。「過去のラブ・ソングは客観的な立場から、主人公の気持ちをただ歌ったものでした。しかし今回は、より明確な“ジェフ・チャン”としての視点で、自分の感情を率直に表現し、より主観的になるつもりです」

【Continuum】コンサートの舞台裏の装置は複雑で、出演者をステージに運ぶリフトが20基以上ある。リフトで上がったり下がったりするのは、人生の山あり谷ありに直面するのと似ており、これは歌手にとって当たり前のことだ。始まりから現在、そして未来へと、ジェフ・チャンと観客は常にそこにいる。パフォーマンスが終わることはないのだ。

Text: Jifan Wang / Photo: Yaxin Liu
Stylist: Ayunga / Makeup & Hairstyle: Xinyu Su
International Copyright: Hyde, Singing, DengDeng

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