上皇ご夫妻が日光へ 疎開の地・田母沢御用邸を散策

とちぎテレビ

上皇ご夫妻は28日、日光市を訪れ戦時中に上皇さまが疎開していた旧田母沢御用邸を23年ぶりに訪問されました。

正午過ぎ、東武鉄道の特別列車「スペーシアX」で東武日光駅に到着された上皇ご夫妻。福田富一知事などの出迎えを受けた後、手をつないで姿を見せ、訪れた人に笑顔で手を振るなどして応えられました。

続いて、上皇ご夫妻は上皇さまが小学校5年生だった1944年、昭和19年7月から1年間疎開した旧田母沢御用邸を訪問されました。上皇ご夫妻は前回日光市を訪れた2001年に、疎開中に見ていた思い出のイチイの木を同じ場所に植樹されています。その木について、「ずいぶん伸びているね」と話したほか、新緑の中で咲く庭の花々を見て言葉を交わされていました。

また御用邸のそばにあり、上皇さまが疎開中に学習院初等科の授業を受けた東大大学院附属植物園日光分園も訪れました。上皇さまは1944年5月に沼津御用邸に疎開し、7月にサイパンが陥落した後、内陸部の日光に移りました。1945年7月、奥日光にあった「南間ホテル」にさらに疎開し、父の昭和天皇が終戦を告げた8月の「玉音放送」を聞きました。

上皇ご夫妻の日光訪問はこれまで3度計画されましたが災害などにより延期され10年越しに実現しました。ご夫妻は31日まで滞在し、終戦を迎えた奥日光など思い出の場所を訪問されます。

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