猫に『飼い主に嫌われた…』と誤解させてしまうNG行為5選 何気ない行動が愛猫を傷つけている?

1.無視する

猫への「無視」を繰り返すと、猫は自分が飼い主に嫌われたと感じるかもしれません。忙しいときに、ついやってしまう人もいるのではないでしょうか?

飼い猫は、猫同士ならニオイを介して行うコミュニケーションを、人間が相手のときは言葉でコミュニケーションすることを知っています。

飼い主は猫にとっては食べ物をくれる重要な存在です。そのため、飼い主に無視されてしまうと、不安を感じる可能性があるのです。

飼い主による無視の習慣化は、猫の問題行動の原因になるかもしれません。たとえば、注意を引こうと大きな声で鳴いたり、壁をガリガリと引っかいたりするなどの行為です。

忙しいときでも猫は無視せず、言葉で返答するなど、誠意ある関わり方をすることが大切です。

2.バカにする

猫に対して「バカにする」ことは、冗談でも避けたほうがよいでしょう。猫は嫌われたと誤解してしまうかもしれません。

猫は賢い動物です。人間の言葉の意味を完全に理解することはできませんが、飼い主が話している口調などから、人の気持ちを感じ取ることができます。

もし飼い主が猫をバカにしたり、嘲笑するような態度を取ったりすれば、猫は雰囲気を感じ取り、傷ついてしまうかもしれません。

猫に言葉がわからないと思っていても、「病院」や「くすり」などの言葉に反応して逃げ隠れようとするのは、やはり猫はわかっているからなのです。

そのため、猫に対する言動には、節度を持って十分に気を付ける必要があります。

3.乱暴な扱い

乱暴な扱いをするなら、猫に誤解されてしまうのは仕方がないかもしれません。

乱暴といっても、虐待のことではありません。ここでの「乱暴な扱い」とは、猫の意志に反して、不必要に猫の行動を制限することを指します。

たとえば、猫が転がって寝ている時に、飼い主が足でズズズッと押しのけるような行為のことです。

猫は自分が気に入った場所でリラックスしたいと思っているため、足で無理やり移動させられれば、尊重されていないと感じるかもしれません。

また、食卓に登る猫を腕で思い切り払いのける、水スプレーをかけるというような行為も少々乱暴です。猫に意志がある限り、乱暴にするのはしつけとしては意味がありません。抱っこして降ろすだけで十分です。

4.強制的な爪切りや歯磨き

「爪切りや歯磨き」は猫の健康や安全のために必要なケアですが、嫌がる猫も多いでしょう。

猫の爪は、長く伸びていると家の中を傷つけるだけでなく、猫自身もカーテンや布製品にひっかけてケガする危険があります。

猫の爪は、狩りなどに使う重要な体のパーツですので、爪切りは猫にとっては、ものすごく不快な行為なのです。

無理やり押さえつけて切ったりすれば、飼い主への不信感の原因になりますから、おやつを上手に使ったり、目隠しをするなど、嫌がらないような工夫をしましょう。

また、歯磨きも同様です。歯垢や歯石が溜まると、歯周炎や口内炎の原因になります。

しかし、歯磨き慣れしていない猫に、いきなりすべての歯をゴシゴシ磨こうとすると羽交い絞めにする必要があります。猫には大きなストレスですし、慣れていない飼い主としてもハードルが高いでしょう。

まずは、チョンチョンと口まわりを触るところからはじめて、毎日少しずつ慣れさせることが有効です。

5.無理なダイエット

日本では、やや肥満〜肥満の猫が多く見られ、獣医さんから減量を指示されることもあります。その中で、猫の気持ちを傷つける行動のひとつが「無理なダイエット」です。

猫は自分の身体の状態を把握しているわけではなく、痩せなくちゃとは考えません。

そのため、ただ食事量を減らすだけのダイエットでは、空腹のストレスを感じ、飼い主から十分な食事がもらえないという不快感だけを持つ可能性があります。

本来、猫には、身体のエネルギーを蓄える調整力があり、狩りで発散した分を蓄えるようにできているため、食べないダイエットをさせるのは非常に困難なのです。

猫を減量させる必要があるときには、獣医師の指示に従い、適切な栄養バランスを考慮したウェイトコントロール用フードを与えるなどの工夫が必要です。

まとめ

大切な家族であっても、猫は人とは違うコミュニケーションの方法や価値観を持っています。飼い主から見て必要だと思われることも、猫が理解できないこともたくさんあります。

その一方で、猫が自尊心を持っているところは人間と同じです。だからこそ、飼い主側が、猫の立場に立って考える必要があるのです。

呼びかけの無視やバカにするなど、他人に対して失礼な行動は、猫のとっても心を傷つけてしまうかもしれません。

それに猫の健康のためには必要不可欠なケアも、強制的に行うのではなく、猫の気持ちを尊重しつつ細心の注意を払いながら、徐々に慣れさせていく必要があります。

何気なくやっている行動も、猫にとってはどう感じるのか考えながら生活していきたいものですね。

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