【インタビュー】you kiyo shuji、Janne Da Arcデビュー25周年に集結「5人がステージ上に揃っている姿だけでも見せることができたら」

元Janne Da Arcのyou(G)、kiyo(Key)、shuji(Dr)が、10月27日の東京・渋谷サイクロンを皮切りに、全国8都市全24公演のツアー<you kiyo shuji TOUR 2024 “CONNECT”>を開催する。Janne Da Arc事実上の活動休止から17年、解散発表から5年。“you kiyo shuji”名義による集結は、デビュー25周年のメモリアルとして、現在までJanne Da Arcを応援し続け、“コネクト”=繋いでくれたファンへの感謝を届けるべく行われるものだ。

「今もずっと火を燃やし続けてくれているファンの方に、心からの感謝を全力で伝えに行きます。いつかの大きな炎に繋げるためにも、みんなの誇りを見せに来てほしいです」とは、ツアー開催発表と同時にアナウンスされた3人のコメントだ。“いつかの大きな炎に繋げる(=コネクト)ために”という言葉からも、このツアーが大いなる意志を持って動き始めることが、3人の写真に設けられた空間からも感じ取ることができるはず。

BARKSは、you kiyo shujiに<TOUR 2024 “CONNECT”>の真意について話を訊くべく、緊急インタビューを試みた。

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■再びJanne Da Arcをやろうってなったとき■足を引っ張らないようにしておかないとって

──5月9日に開催されたyouさんのソロライヴのステージで、元Janne Da Arcのyou、kiyo、shujiの3人が10月からツアーを行うことを発表しました。内容が楽しみですが、その前に、Janne Da Arcが2007年に活動を休止して以降のことを聞きたいんです。休止後、youさんとkiyoさんはソロ活動をスタートさせ、shujiさんは様々なサポートで活動していましたが、結果的にJanne Da Arcは2019年にしました。その前後あたりの心境や、各自の音楽活動についてどう考えていました?

you:Janne Da Arcが事実上の活動休止になった2007年、僕が最初にソロ活動みたいなのをさせてもらったんです。それは、前からいちギタリストとしてチャレンジしたいことでもあったので (ソロアルバム3部作『LIFE〜the first movement〜』[2007年6月発表]、『LIFE〜the second movement〜』[2007年10月発表]、『LIFE 〜the third movement〜』[2008年10月発表])。その時期はソロ活動に集中していたんですけど、一区切り終えて、これからなにができるかなと考えたとき、そこからの期間がちょっと…。今から思えば、ああしたら良かったと思うこともあるんですけど、当時はけっこう暗中模索というか。やりたいことがあったりしても、どう進めていけばいいんやろうって、自分の中でもちゃんとした答えを見つけ出せないまま、行動に移せずという時期がすごく長くて。

──それでもJanne Da Arc用の曲は作っていたんですか?

you:そうですね。作っても、メンバーを巻き込んで進んでいこうって段階まで、自分自身を持っていけなかったところもあったりしたので。悶々としていたというか。なにかやりたいって焦っていたところもあったかもしれないけど。

──自分の全てを賭けていたJanne Da Arcが突如活動休止したことで、すぐに光も見つからなかった感じですか?

you:そうですね。なにかやろうと思っても、なかなか進められない現実を経験しました。その中で思ったのは、Janne Da Arcというバンドの凄さとか、他のメンバーのありがたみじゃないですけど、やっぱり存在と凄さですよね。それを痛感しました。

──kiyoさんは?

kiyo:僕もソロというか出版物(書籍『kiyo風呂』[2006年10月発表])を作ったり、映像制作(『誤作動 〜テスト起動〜』[2008年3月発表]、『誤作動 〜完全版〜』[2008年6月発表])に走ったりとかもしていたんです。

──いわゆるクリエイター的な活動もしていましたからね。

kiyo:そうですね。テレビとかを観てて、映像に合ったBGMを作りたいなって、普段から思っていたんですよ。あとゲームミュージック(ソロ作品『ARTISAN OF PLEASURE』[2008年6月発表])を作ったり、作曲家としていろんなコンペに参加させてもらったりしていたんです。でも曲は作れるけど、一体なにに向かって曲を作ればいいんやろって悩みながらでした。浮かぶものを形にしていったんですけど、音楽ジャンルもバラバラだったし。

──なるほど。

kiyo:そういう中で思ったんです、僕はあくまでもキーボーディストだったんやなって。バンドの中に自分が存在していないと、僕の個性の活かし方も分からないっていう。自分のアイデンティティが保てないんです。どっしりしたバンドサウンドがあってこそ、キーボードフレーズで自由に動き回れていたんやなって分かりましたね。僕もyouと同じような感覚で、悶々とした長い期間を過ごしていました。

──shujiさんは?

shuji:僕の場合、Janne Da Arc時代にあまり曲を作ってこなかったんで、活動休止になったとき、この期間に作曲を勉強したほうがいいのかなと思ったんですよ。でも、思っただけで(笑)。けっこう僕は昔から、性格的になるようになれって考えるほうで、あんまりジタバタしないっていうか。それに、幸いにもJanne Da Arcが活動休止になってからyouのソロ活動のお手伝いとか、ka-yuのDAMIJAWのお手伝いとかさせていただきつつ、他の現場もいろいろやらせていただいていたので。その当時思っていたのは、“再びJanne Da Arcをやろうってなったとき、足を引っ張らないようにしておかないとな”って。

──ドラマーとして常に磨きを掛けておこうという?

shuji:はい。それでいろいろなバンドのサポートをしたいと思っていたんですけど、当時はそんなに多くはなかったんです。ここ2〜3年でいろいろ話をいただけるようになったぐらいなんで。だから今も、ある意味ずっと修行している感じです。“そのとき”のために。

──でも、“そのとき”がなくなってしまったと感じたこともあったわけですよね。2007年1月に、バンド結成10周年を節目に各メンバーがソロを始動して、並行するとはいえ、バンドは事実上活動休止となった。その12年後の2019年にJanne Da Arc解散が発表されたわけですが、解散を決めたときの喪失感は?

you:もちろん青天の霹靂ではなかったわけですよ。解散という事態が起こり得るということは、心にとめていましたから。でも、そうならないためにできることはないかなって。それも悶々とした心境に陥った要因のひとつではあるんですけど。実際に自分がなにをやったかと言っても、なにかできていたのか?って感じだったし。正直、あのときは“ついに、きてしまった”というか。

kiyo:“とうとう”というか。

──覚悟していたことが現実になってしまったのかと?

kiyo:そうですね。想像の中に、解散がなかったわけでもないので。

shuji:活動休止してからの期間がけっこう長かったじゃないですか。活動休止から3年目ぐらいまでは、自分の中でも“そのうちいつか”という思いがあったんです。でも4年5年と時間が経つうちに、難しいかなとは思うようになっていきましたから。いずれは解散という事態もあるだろうなとは、なんとなく覚悟していましたよね。

──でも考え方の角度を変えれば、活動休止のままずっと引っ張り続けるより、きっぱりと答えを出すことがファンへの優しさでもあると思いますよ。

shuji:復活をずっと待ってくださっている方が多かったですから。

you:言葉は悪いですけど、引っ張りに引っ張って最後は結局それですか、という終わり方をしてしまったので。申し訳ないでは済まされへん。なんとかしなきゃいけないって思いだけで、実際はなにもできないままだった。本当に遅すぎたんです、そういう意味では。

──話が前後しますけど、活動休止以降はメンバー間で頻繁に連絡を取り合うこともしていたんですか?

shuji:活動休止直後は、ちょいちょいメシに行ったりはして、いろいろ話し合ってましたよね。

kiyo:バンド再開への望みをなんとかつなげていこうって想いですよね。そういう話もこの3人でしてましたから。僕とyouは、その後に一緒に曲を作ったりもしたので、交流はありました。

shuji:活動休止した後、東日本大震災が起こってしまい、メンバー全員で集まる機会もあったんですよ。それでを出したりもしたんです。それがきっかけで、不謹慎かもしれないですけど、どうにか活動再開につなげられないかって気持ちもあったんですよ。あのとき、久しぶりに5人が集まって、久しぶりに一緒にメシも食べたりしたので。一時的な活動再開でもいい、みたいな。

kiyo:そやな、そういう話もしたな。でもあのときは電力不足だったから、電気を使うことが悪みたいな状況だったじゃないですか。結果、再開はあまり現実的ではないなってことで終わって。

──2019年のJanne Da Arcの解散発表後、youさんとkiyoさんは一緒にというプロジェクトをスタートさせました。連絡を取り合っている中で、自然に構想が生まれたんですか?

you:なんとなく二人で曲を作り始めたことがきっかけではあるんですけど、それもだいぶ前からなんです。ずっとやりたかったことだったし、なかなか形にできなかっただけで。ようやく形になったのが、3年ぐらい前ってだけで(笑)。

kiyo:前からずーっと二人でやってましたもん。いろんなコンセプト考えたり、デモのデータを送りあったりとか。ちゃんとNicori Light Toursとして組んだのが、ちょうどコロナ禍になってしまった頃。ファンの方々と会う機会もなかなかなくて、どうなるんやろうって不安も混じりつつの活動スタートだったんです。アルバムやシングルもリリースして、ライヴもできる世の中の状況になって、やっとみんなが喜んでくれているって感じになりましたね。ただそんな中でも始動当初から興味を持って応援してくれているファンの方には感謝の言葉もありません。

■気分を害する人もいるかもしれない■それを受け止める覚悟も今はできた

──そのNicori Light Toursと、今回の3人によるプロジェクトは、全く別枠という考え方ですか?

you:はい。

shuji:別枠です。

kiyo:うん、まったく別。Janne Da Arc解散発表後、“平成 憩い部”という名前で、3人で全国を廻ったんです。

you:オフィシャルサイトから文面だけでJanne Da Arc解散を発表して。そのままでは済まされへんだろうって気持ちがあったから、すぐに動けるこの3人で、ライヴを通して自分の口でちゃんと伝えようって。勝手ながら、そういうツアーを2019年夏にやったんですよ。

──<禊ツアー>と呼ばれてもいいような感じのことを。

you:そうです(苦笑)。

kiyo:「ごめんなさい」という気持ちで。

you:そのときに、「これから各々で活動して、“ちゃんとやってるやん”とみんなに思ってもらえるようになったら、また3人でやります」ということを言ったんですよ。「また集まってください」って。要はそれが今回です。

──2019年にしたファンとの約束を果たそうということですか?

you:そういう気持ちです。胸を張れる活動がそれぞれできているのかってのはあるんですけど、そんなこと言ってたら、いつ約束を果たせるんだって。2024年はJanne Da Arcのデビュー25周年でもあるので、3人で話し合って、やるならこのタイミングしかないんじゃないかって決めました。

shuji:やらずにいたら、メンバーの誰か死んじゃうかも分からへんからね。

──去年からいろいろあるから、本当に現実的な話ですよ。やりたいことは、さっさと行動に移さなきゃいけない。

you:そうなんですよ。思いもよらなかった永遠の別れを去年は経験しているので。

──ファンとの約束もあったんでしょうけど、本当はすぐにでも再び動き出したかったんじゃないですか?

you:でも、自分の中ではJanne Da Arcに関することをちょっと避けていたところもありました。それを利用してると思われているのが自分でもイヤだったし。姑息なつもりはなくても、やっぱりそう思われてしまうんじゃないのかって感じる自分もいたりしたので。だから、Janne Da Arcの存在を置いておくというか、ちょっとしまっておいた部分もあったんです。

──その気持ちも変化したと。

you:毎年デビュー記念日になると、ファンのみんなが「おめでとう」ってお祝いの言葉をX(旧Twitter)でポストしてくれたり。僕がソロライヴで、ちょっとJanne Da Arcの曲を弾いただけで、すごく喜んでくれる。そういう光景を目の当たりにすると、やっぱ、やるべきなんだろうなって。いろんな意見があるのは承知の上で、喜んでくれる人も確実にたくさんいることを確信できたので、デビュー25周年のタイミングでやるべきだなと思ったんです。

──通常、取材するにあたっては、事前にデモなり音源なりを聴かせていただくんです。ところが今回、3人からはそういったものは届いていない。3人がこれからやることを勝手に想像をすると、この3人にサポートベースの高井 淳(Waive)を加えた4ピースで、ヴォーカルがいないからインストゥルメンタルだろうと。腕に覚えのある3人だから、プログレおやじたちをうならせる高度テクニックの応酬になるのかなと。あるいはJanne Da Arcから避けていたところがあったものの、みんなとの約束を果たす意味もあるから、Janne Da Arcの楽曲をインストバージョンで聴かせてくれるのかなとか。あるいは、各自のソロやプロジェクトのニューアレンジも入ってくるかなと。想像だけはいろいろ膨らむんですよ。

you:まさに、おっしゃっていただいた中に答えはあります。この3人でやるのは、Janne Da Arcのニューアレンジです。

──はっきりと断言しましたね。

you:はい。Janne Da Arcの曲をやります。インストでやる曲もありますし、逆にお客さんみんなに歌ってもらう曲もあります。

──Janne Da Arcのメインヴォーカルは、ライヴに来たオーディエンス?

you:そうです。

──ファンとの約束を果たすべく再始動するうえに、メインヴォーカルはライヴに来たファン。Janne Da Arcのデビュー25周年の2024年に。熱いじゃないですか、その心意気が。

you:今でも「Janne Da Arcが好きです」って言ってくれるファンの中に、実は生のライヴを観たことないって方もいっぱいいるんですよ。映像でしか観たことないって。この前の僕のソロライヴでJanne Da Arcの曲もやったんですけど、「初めて生演奏でJanne Da Arcの曲を聴けた」と。そういう声を聞くと、Janne Da Arcの曲をライヴでやりたくなるし。

kiyo:当時、ファンだった方が大人になり、さらに親になって、「お母さんが好きだったバンドを子供にも見せたい」って人もいましたから。ご家庭でJanne Da Arcをつないでくれている。本物の5分の3のメンバーによるJanne Da Arcではあるけど、ちゃんと生で見せてあげたいって。

you:今、kiyoが言ったけど、僕らはなにもつなげられていないんです。だけど、ファンの人たちがJanne Da Arcの存在をずっとつないでくれていた。その気持ちに応えるといったらおこがましいですけど、3人のツアーを実現させて、つないでくれた気持ちにいろいろ添えられたらと。

──活動休止から17年、解散発表から5年が経ちましたが、ファンの中ではJanne Da Arcの存在は風化していない。その方にとってはずっと生き続けているバンドで、伝説にはならないですよ。

you:そうやって大事につないでいっていくれているものに対して、僕らもここで真剣に向き合えればなという気持ちが、もちろんあるんです。

──Janne Da Arcの曲をプレイすることだけにこだわる新プロジェクトの誕生ですね。ファンに対しての正義も感じます。

kiyo:活動休止したまま解散したのは申し訳ないというところから始まって。そこからつないでくれているファンに対しての「ありがとう」がずっと続いていたんですけど、その気持ちはSNSで言うしかなかった。でも今回、ツアーを実現させることで、ここで改めてありがとうという意志を示したいと思っているんです。youが“姑息”と言ったように、3人でJanne Da Arcの曲でツアーをすることに反対する人もいるだろうし、気分を害する人もいるかもしれない。でもそれを受け止める覚悟も、今はできたって感じですね。いろんな意見や反対の声も、関心を持ってくれている証として受け止める…そういう覚悟です。喜んでくれる人がいるなら、僕らはやりたい。喜んでくれる誰かが一人でもいるんであれば、目の前でしっかり演奏するのがプロだと思うので。

──それが今だと。

kiyo:個人的な話になりますが、今年手術をして、もう弾けなくなるかもしれないって思ったことがあったんですよね。

──どこの手術をしたんですか?

kiyo:頸椎の神経をやられて、うまく歩けなくなって、指も動かなくなって。右半身の麻痺に近い状態ですね。手術も成功するかどうか分からないし、「リスクが高い手術だから誰もやりたがらない」って医師から言われたぐらいだったんです。それをクリアした今は、もうなんでもやりたいんです。キーボーディストとして命を一度絶たれそうになっただけに、今はなにを言われても、絶対にやりたいという気持ちになったんです。それがちょうどデビュー25周年というタイミングだったという。

──shujiさんも、錆びさせないように磨き続けてきた刀を振り回すときがきた感覚ですか?

shuji:youのソロライヴ名義でしたけど、今年5月の<MESSAGE>と去年も3人でやったりもしたんですよ。でも都内だったので、お客さんに東京に来てもらうしかなかったんです。10月からのツアーは、細かくまわる感じではないんですけど、一応全国ツアーができるので。前から「観たいけど行けない」って声も多かったので、今回のツアーでみんなのところに行ける。あと、5月の<MESSAGE>で思ったのは、Janne Da Arcでこんな激しいドラムを叩いていたかな?と(笑)。若いときのプレイは、簡単なことしかやっていなかったと思ってたんだけど、実は難しいこともやっていたんだなって。それがいつまで自分は叩けるのかと。今だったらまだイケるけど、5年後とかはどうかなと思ったんで。

──1990年代はテクニック指向も高まっていた時期だから、レコーディングでは常に高いハードルを自分の中で設けていたという。

shuji:そうそう。去年やったときはそこまで思わなかったですけど、今年のライヴではすごく思ったんですよ。こんな難しいことやってたっけ?と。だから今、このタイミングでJanne Da Arcの曲をプレイするツアーをやらなきゃいけなかったんです。

■未来も感じてもらえるようなツアーにできたら■懐かしいだけでは終わらないライヴにする

──Janne Da Arcの曲でツアーをまわるとなったとき、それぞれには広がる思いなどもありますよね。このメンツでやるなら、何年のあのライヴのセットリストを再現とか。

you:前までは僕のソロ名義ライヴでJanne Da Arcの曲もやっていたから、セットリストには自分のソロの曲も入れていたんですね。この秋のツアーではソロの曲をなくして、Janne Da Arc一色のツアーにしたいので、過去のライヴ再現とかは、やっぱり考えますよね。今、それをやってみたら、みんなは喜んでくれるかなとか。

kiyo:ツアーまでに少し時間があるので、ライヴ内容やセットリストは、みんなに楽しんでもらうために、3人でもニヤニヤしながら考えたいです。せっかくライヴに来てもらうわけだし、ここのところ行けなかったところにも行くことになるので、濃いライヴにしたいと思っています。

you:Janne Da Arcは、ライヴでは曲の合間にちょっとしたソロコーナーみたいなのもあったじゃないですか。

shuji:Janne Da Arcの前期から中期あたりまで、だいたい大きなライヴのとき、僕は長めのドラムソロをやったりしていた。今度は、例えば長めのソロをやったらいいのか、Janne Da Arcの曲数を増やしたらいいのかって、嬉しい悩みもありますよね。

──両方ともやれば、悩む必要なんてない。

shuji:いやいや。ライヴには終了時刻も決まってるんで、ある程度やけど。個人的には長めのソロやるのもいいかなと思うんですけど、それを求めてる人はどれぐらいいるのかと思うと…(笑)。

──おもしろトークも。

you:ライヴでは、笑いの師匠kiyoが降臨しましたからね。僕もshujiも含め、みんなが喜んでくれそうなライヴ展開を再現できたらいいなってアイデアも、ひとつあります。

──ライヴは1日2公演ですよね。当然、セットリストも内容も変えてくるはずで。

you:当然です。やるからには違うメニューでやります。それにJanne Da Arcの曲をやろうと思ったら、1公演では収まりきらないんですよ、やっぱり。自分らに鞭打ってでもメニューは変えます。それぐらいの覚悟でJanne Da Arcと向き合っていますから。

kiyo:会場によっては2DAYSで計4公演のところもありますからね。今から痩せる思いですよ。当時のライヴを彷彿とさせたい気持ちはあります。

shuji:体形でも?

kiyo:そういう面でも頑張ります。一度痩せたとき、やっぱり身軽やったんですよ(笑)。

──体形の話はともかく、再びJanne Da Arcの曲を弾く、叩くとなったら、それぞれ向かうモードや気構えも変わるものですか?

you:全然違うというか。Janne Da Arcの曲に向き合うときは、自分自身最初から変わるんです。それに実際ステージに立った瞬間、もう一段階、ファンのみんなに変えてもらえるんです。なかなか言葉にしづらいんですけど、いろんな想いを持って観に来てくれるわけじゃないですか。それがなんとも言えない空気感を作り出すんですね。身が引き締まるってレベルではなくて、本当に自分のモードが全然変わるというか。それが心地よい緊張感でもあるんです。あまり体験したことのない感情にさせてくれる。自分が追い込まれている感じもあるんですけど、心地よい緊張感とせめぎあっているというか。

──それほど集中力を高めていると。

you:自分のソロ名義のライヴでJanne Da Arcの曲をやるときって、気持ち的には、みんなで楽しんでという感じなんです。でも泣いて笑ってみたいな、本当にいろいろな感情が入り混じった客席になる。すごく悲しそうな顔をしている人もいれば、嬉しそうに泣いている方もいらっしゃるんですよ。だから僕らは、真剣に向き合ってやるしかない。そういう単純なところに行きついてしまうんです。できるだけいろんな想いを受け止めて、ツアーに活かせればなと思ってます。ツアー中も、いろんなものを受け止めて、ライヴに還元していくんだろうなと思ってます。

kiyo:5月の<MESSAGE>のときも、すごい想いで来てくれたんだなってのが分かりましたから。喜んでもらえるやろうなって気持ちでステージに出たんですけど、ものすごい感情の塊が襲ってきた感じがしたんです。活動休止直前のライヴを、みんながみんな観に来れたわけじゃないだろうから、人によっては20数年ぶりにJanne Da Arcの曲を生で観る方もいると思うんです。それに応えるツアーをこの秋にやるっていう、強い覚悟でいます。自分自身も後悔ないように、ひとつひとつのステージを全力でやります。

shuji:Janne Da Arcの曲を今やると、なんとなく気持ちが当時に戻るんですよ。若返る。僕自身もそうだし、お客さんも当時の記憶がバーッといろいろ蘇るんだろうなって。それで感極まって泣いたりする子もいるんだろうなって思いましたね、<MESSAGE>では。でもギターの音色とか、それぞれのプレイのアプローチとか、昔とは違う新鮮味も感じるんですよ。自分らでやっていてもおもしろいんです。

──ファンにとっても楽しみな2024年秋になりそうですね。

you:僕らも楽しみにしているし、みんなもいろんな想いを持ちながら、ライヴに期待していただけたらと思ってます。

──このインタビューを読んだファンの期待は、今、爆上がり状態だと思います。みなさんにメッセージをいただけたら。

shuji:今度のツアーを僕自身が本当に楽しみにしているので。このメンバーでツアーするのがすごく久しぶり。僕らは僕らのやれることを精一杯やります。老体に鞭打って1日2公演を頑張りますので、楽しみに観に来ていただけたら嬉しいですね。

kiyo:完全体ではないけど、やっと再びJanne Da Arcの音を届けにいけるなって気持ちです。全力を注ぐために準備もしっかりします。当時のツアーもそうだったんですけど、地域によって熱量の種類がいろいろ変わるんですよ。今からそれを楽しみにしてます。

you:ライヴのソロコーナーで披露するshujiのご当地トークなんて、おもしろいに決まってますから。

kiyo:<MESSAGE>のとき、実はJanne Da Arcで着ていた衣装をこっそり着ていたんです。また持って行ったりしようかなと思ってます。当時の衣装を着ると、やっぱり自己暗示に掛かりやすいんですよ。難しいと思うフレーズも、衣装を着ると弾けるっていう効果ありますから。そういうところも楽しみにしていてください。

you:久々に3人でツアーをまわれて、みなさんの近くに行けるのは楽しみでしかないです。懐かしんでもらうというテーマではあるんですけど、個人的には未来も感じてもらえるようなツアーにできたらなと思っているんです。懐かしいだけでは終わらないライヴにするつもりなんです。

──バンド名とかプロジェクト名は決まっているんですか?

you:いや、それは決めてないです。「you kiyo shuji」です。

shuji:決めようかって話もあったんですけどね。

kiyo:いややったんですよ、新たにバンド名を付けるのは。

──Janne Da Arcのメンバーが、Janne Da Arcの楽曲だけでツアーをまわるわけですから、新たなバンド名というのも…ですよね。ツアー開催を発表した際の3人のメッセージに、「今もずっと火を燃やし続けてくれているファンの方に、心からの感謝を全力で伝えに行きます。いつかの大きな炎に繋げるために」という言葉がありました。Janne Da Arc25周年プロジェクトとも取れますし、将来への意志も感じ取ることができます。その真意を教えていただけますか。

you:活動休止から解散も含めたこの17年間、Janne Da Arcとしてのライブはなかったわけで。それでも、デビュー25周年経った今も応援し続けてくれるファンの方々や、活動休止以降にファンになってくれた方々へ、3人の演奏だけでも一生懸命に届けたい。もちろん賛否両論あると思います。ただ、僕らの想いとしては、どんな形であれ、いつかまた…。これは僕個人的な想いになるので発言すべきかどうか迷ったんですが、25周年のプロジェクトとして、その最後に、演奏しなくてもいいから、メンバー5人がステージ上に揃っている姿だけでも見せることができたら。それが叶わなかったとしても、純粋に、みなさんへの感謝の気持ちを持って、3人でJanne Da Arcの音楽を届けたいんです。

──この秋のツアーをやり終えたとき、3人の気持ちがどうなっているかも楽しみです。

you:自分自身でも、今回の全てのライヴをやり切れたときにどう思うのか。想像しても想像つかないんです、今は。でも楽しみでもある。自分がどういう想いになるのか、緊張しますけど、期待しています。

取材・文◎長谷川幸信

■全国ツアー<you kiyo shuji TOUR 2024 “CONNECT”>

※各日2公演開催
10月27日(日) 東京・SHIBUYA CYCLONE
・1公演目:open14:00 / start14:30
・2公演目:open17:30 / start18:00
(問)DISK GARAGE https://info.diskgarage.com/
11月02日(土) 北海道・PLANT
・1公演目:open14:00 / start14:30
・2公演目:open17:30 / start18:00
11月03日(日) 北海道・PLANT
・1公演目:open13:30 / start14:00
・2公演目:open17:00 / start17:30
(問)WESS:info@wess.co.jp
11月16日(土) 大阪・OSAKA MUSE
・1公演目:open14:00 / start14:30
・2公演目:open17:30 / start18:00
11月17日(日) 大阪・OSAKA MUSE
・1公演目:open13:30 / start14:00
・2公演目:open17:00 / start17:30
(問)キョードーインフォメーション 0570-200-888
11月23日(土) 新潟・GOLDEN PIGS RED STAGE
・1公演目:open14:00 / start14:30
・2公演目:open17:30 / start18:00
(問)新潟GOLDEN PIGS 025-201-9981
11月30日(土) 宮城・仙台MACANA
・1公演目:open14:00 / start14:30
・2公演目:open17:30 / start18:00
12月01日(日) 宮城・仙台MACANA
・1公演目:open13:30 / start14:00
・2公演目:open17:00 / start17:30
(問)キョードー東北 025-245-5100
12月07日(土) 福岡・Drum Be-1
・1公演目:open14:00 / start14:30
・2公演目:open17:30 / start18:00
(問)キョードー西日本 0570-09-2424
12月08日(日) 広島・セカンドクラッチ
・1公演目:open14:00 / start14:30
・2公演目:open17:30 / start18:00
(問)キャンディープロモーション 082-249-8334
12月14日(土) 愛知・HeartLand
・1公演目:open14:00 / start14:30
・2公演目:open17:30 / start18:00
12月15日(日) 愛知・HeartLand
・1公演目:open13:30 / start14:00
・2公演目:open17:00 / start17:30
(問)サンデーフォークプロモーション 052-320-9100
▼出演
Gt:you(ex.Janne Da Arc / Nicori Light Tours)
Key:kiyo(ex.Janne Da Arc / Nicori Light Tours)
Dr:shuji(ex.Janne Da Arc)
●Support Musician
Ba:高井 淳(Waive)
▼チケット
オールスタンディング
※整理番号順の入場
前売り(※年齢制限3歳以上有料)
・ファンクラブ限定チケット:¥10,000(税込) ※ドリンク代別 ※終演後バックステージご招待
・一般チケット:¥8,000-(税込) ※ドリンク代別
一般発売:9月7日(土) 10:00〜
【you kiyo shujiオフィシャルモバイルFC“オルレアン”限定チケット先行】
※FC会員限定チケット・一般チケットの2券種希望制
受付期間:5月9日(木) 21:00~6月2日(日) 23:59
※6月2日(日)23:00までの入会者が申し込み対象
https://fanicon.net/fancommunities/5643

【公式ファンコミュニティ『オルレアン』】
月額1,000円 3ヶ月:3,000円 / 12ヶ月10,800円(10%割引)
※期間限定のため、12ヶ月プランは2024年5月のみのご入会プランとなります。6月以降は3ヶ月プランのみとなります
▼内容
・限定オフショット、限定ムービー
・スレッド
・限定グッズが当たるスクラッチくじ
・デジタルファンレターBOX(※本人からの返信はございません)

◆ ◆ ◆

▼you、kiyo 、shuji からメッセージ
「みなさま、いつも応援ありがとうございます!
この度、期間限定でyou kiyo shujiのオフィシャルモバイルファンクラブを開設致しました!
デビューから25周年という年ということもあり、懐かしさあり、こんなのあったね!などと思っていただける楽しいモバイルファンクラブにしたいと思ってます。
会員の皆様同士仲良くコミュニケーションをとっていただき、様々なコンテンツを楽しんで頂けたら嬉しいです。

ファンクラブ限定の写真や動画などもお届けしていきたいなと思っています。

楽しく過ごしましょう!
ご入会、お待ちしています!」

関連リンク

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◆you kiyo shujiオフィシャルモバイルFC“オルレアン”

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