岡山県内大雨 路肩崩壊や冠水被害 7地点で5月降水量最大

路肩が崩れた県道岡山児島線=28日午後4時25分、倉敷市大畠

 前線が活発化した影響で28日、日本列島は東日本から西日本の各地で大雨となった。気象庁は線状降水帯が発生する可能性があるとして、東海3県に「半日前予測」を出し、土砂災害や河川の氾濫に厳重な警戒を呼びかけた。四国と九州南部の4県にも一時、半日前予測を出した。

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 瀬戸内地方で28日に降った大雨により、岡山県各地で路肩の崩壊や道路の冠水などの被害があった。いずれもけが人の報告はない。

 県内の午後6時までの24時間降水量は、岡山市中心部128.5ミリ▽和気町125.0ミリ▽倉敷市124.5ミリ―など。この3地点を含む県内7地点では5月の観測史上最大を記録した。岡山、倉敷、笠岡、玉野市と早島町には日中、大雨警報が発令され、午後5時までに解除された。

 県危機管理課によると午後5時現在、倉敷市大畠の県道岡山児島線、美作市万善の県道和気笹目作東線でいずれも路肩が崩壊し通行止め。復旧のめどは立っていないという。

 倉敷市大畠の県道岡山児島線は、県備中県民局によると路肩約30メートルが崩壊。同所から同市下津井田之浦までの約900メートル区間を午後1時半から通行止めにした。

 岡山市によると、同市中区原尾島の国道250号の地下を通る自転車・歩行者専用道路が30センチ冠水。一時全面通行止めとなった。同市北区西花尻の店舗兼住宅の入り口部分が浸水する被害もあった。

JR一部区間で運転取りやめ 帰宅の足に大きく影響

 岡山県内では28日昼ごろから列車が一部区間で運転を取りやめ、帰宅する人たちの足に大きく影響した。

 JR西日本中国統括本部によると、山陽線上郡―福山間▽赤穂線播州赤穂―岡山間▽姫新線上月―津山間▽津山線岡山―津山間▽桃太郎(吉備)線岡山―総社間▽伯備線岡山―新見間―で、正午以降運転を取りやめた。山陽線岡山―福山間▽伯備線岡山―新見間は、午後7時に運転を再開し、本数を減らして運行した。

 特急スーパーいなば(岡山―鳥取間)は午後、特急やくも(岡山―出雲市間)は夕方まで、サンライズ出雲・瀬戸(出雲市・高松―東京間)は上下線で運休となった。

 JR岡山駅は同日午後、運転取りやめにより予定変更を余儀なくされた利用者らで混み合った。駅前のバス乗り場は長蛇の列となり、通学のため山陽線で西川原駅から岡山駅に来た山陽学園短大1年の女子学生(20)は「雨が上がったので運転再開されると思っていた。バスで帰ります」と話していた。

冠水して通行止めとなった自転車・歩行者専用道路=28日午前10時4分、岡山市中区原尾島
在来線の運転見合わせの影響で長蛇の列ができたJR岡山駅のバス乗り場=28日午後6時22分

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