北朝~明清時代の墓群を発見 山西省高平市

北朝~明清時代の墓群を発見 山西省高平市

M3038号墓(金・元時代)の墓室壁画。(資料写真、太原=新華社配信)

 【新華社太原5月28日】中国山西省太原市の山西省考古研究院は、同省高平市で南北朝時代末期~明清時代の墓群を発見し、344基を発掘したと明らかにした。地元の埋葬習俗や古建築の研究に重要な意義を持つという。

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M3058号墓(明代)の墓室壁の展開図。(資料写真、太原=新華社配信)

 墓群は中学校の建設現場で見つかり、同研究院と晋城市(高平市を管轄する地級市)の文物保護センターが2022年10月から23年にかけて発掘。墓の年代は南北朝時代の北朝末期から隋唐、宋金元、明清各時代におよび、器物1249点(組)が出土した。

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M2038号墓出土の唐代の墓誌。(資料写真、太原=新華社配信)

 唐代の墓は18基あり、うち単磚室墓(たんせんしつぼ、磚=れんが)のM2038墓は、墓誌から埋葬年は竜朔2(662)年、被葬者は高平出身の馬琳(ば・りん)だと分かった。

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 M3058号墓(金・元時代)の墓室壁の展開図。(資料写真、太原=新華社配信)

 宋金元時代の墓も18基で、擬木構造磚室墓のM3038墓からは美しい壁画が見つかった。墓室の天井には重層的な大きな蓮花、東側に太陽、西側に月、太陽と月の中にはそれぞれ金鳥と玉兎(ぎょくと)が描かれていた。四方の壁の壁画の内容は屏風絵や巻絵、生活風景だった。

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M3038号墓(金・元時代)東壁の切り取り図。(資料写真、太原=新華社配信)

 明清時代の墓は数が多く、地方色が濃かった。家族が一緒に埋葬されているのが特徴で、世代順に北から南に並んでいた。多くは擬木構造磚室墓で、墓門の彫刻は美しく、室内は東倉、西庫、正堂と、仙界や俗世を描いた絵画で構成されていた。

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M3038号墓(金・元時代)の天井壁画。(資料写真、太原=新華社配信)

 発掘責任者の白曙璋(はく・しょしょう)氏は、墓は数が多く、時間的な連続性もあり、高平の北朝末期以降、特に唐代以降の歴史的変遷と埋葬習俗の研究で重要な価値を持つほか、明清時代の家族墓に見られる擬木構造のれんが彫刻は晋城の古建築を研究する上で有益な資料になると語った。(記者/王学濤)

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高平市の墓群から出土した青花磁蓋碗。(資料写真、太原=新華社配信)

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高平市の墓群から出土した黄緑釉盒。(資料写真、太原=新華社配信)

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高平市で見つかった墓群の発掘エリア。(資料写真、太原=新華社配信)

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M3110号墓(明代)西壁のれんが彫刻と彩色画。(資料写真、太原=新華社配信)

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M3058号墓(明代)西壁のれんが彫刻と彩色画。(資料写真、太原=新華社配信)

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