クイーン、1982年の名盤より「Cool Cat」のカラオケ風リリック・ビデオ公開

クイーンは、1982年にリリースされた10作目のスタジオ・アルバム『Hot Space』のキー・トラックのひとつである「Cool Cat」の新たなカラオケ風リリック・ビデオを公開した。バンドはこのビデオについてこう述べている。

「私たちの新たなリリック・ビデオ‘Cool Cat’でグルーヴィーな雰囲気に浸ってみてください!再生ボタンを押して、一緒に歌いながらクールな気分を味わいましょう」 

<YouTube: Queen - Cool Cat (Official Lyric Video)>

『Hot Space』の制作

1982年5月21日にイギリスで発売され、その4日後にアメリカでも発売されたアルバム『Hot Space』は全英チャートで4位を記録し、両国でゴールド・セールスを達成した。前作『The Game』ほどの大成功には至らなかったものの、ヨーロッパでセールスを伸ばし、オーストリアで1位、オランダで2位を記録し、その他のヨーロッパ各国でもトップ10にランクインした。

アルバム『Hot Space』のレコーディングは、1981年9月から1982年3月にかけて、スイスのモントルーにあるMountain StudiosとドイツのミュンヘンにあるMusicland Studiosで行われた。クイーンと共に本作のプロデュースを手掛けたラインハルト・マックは、前作『The Game』でも多大な貢献を果たし、14年後のラスト・アルバムまでバンドと長い協力関係を築くことになるデヴィッド・リチャーズと共にエンジニアも務めている。本作のラストに収められているファースト・シングル「Under Pressure」は、クイーンとデヴィッド・ボウイのコラボ曲で、世界各国で1位を獲得した。

最終的にアルバムに収録された11曲に加え、さらに数曲が制作されていたが、完成には至らなかった。これは当時のクイーンにとって珍しいことではなく、いくつかのアイデアは様々な段階のままアーカイブに残され、後年のアルバムで再び取り上げられることもあった。

2年前にリリースされた『The Game』と同様に、『Hot Space』はクイーンにとって音楽的方向性という点で大きな転換作となった。1980年に世界的大ヒットを記録した「Another One Bites The Dust」(1980年)が全米1位を獲得した後、バンドがディスコ/ファンク路線をある程度続けたいと考えたことは当然だろう。

一方で、この方針は、それまでの伝統的なヘヴィロックスタイルを好む一部のファンには不評だった。ただ、『Hot Space』にはヘヴィな一面もあり、ブライアン・メイの「Put Out The Fire」や 「Dancer」では、クイーンのアルバムの中でも最もアグレッシブなギター演奏が堪能できる。

Written By Tim Peacock

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