米CB消費者信頼感、5月は102.0 インフレ懸念は継続

[ワシントン 28日 ロイター] - コンファレンス・ボード(CB)が28日に発表した5月の米消費者信頼感指数は102.0と、4月の97.5(前回発表の97.0から上方改定)から上昇した。ロイターがまとめたエコノミスト予想(95.9)に反し、4カ月ぶりに上昇に転じた。労働市場に対する楽観的な見方を受けた。

信頼感指数の上昇は全ての年齢層で見られた。また年収10万ドル超の世帯で信頼感が最も大きく上昇した。6カ月移動平均では、35歳未満の年齢層および年収10万ドル超の世帯の信頼感が引き続き最も高かった。

CBのチーフエコノミスト、ダナ・ピーターソン氏は「5月は現在の労働市場の状況に対する見方が改善した」と指摘。「とはいえ、全体的な信頼感指数は、2年以上にわたって推移してきた比較的狭いレンジ内にとどまった」と述べた。

雇用情勢については、職が「十分」と「就職困難」の回答から算出する労働市場格差に関する指数が24.0。前月は22.9だった。

JPモルガンのエコノミスト、マイケル・ハンソン氏は「この指標の水準は歴史的基準から見て依然として高く、労働市場が依然として堅調であることを示している」と述べた。

ネーションワイドの金融市場エコノミスト、オーレン・クラッキン氏は「価格や借り入れコストの上昇にもかかわらず、雇用の継続的な増加、賃金の上昇、活況を呈する株式市場、そして健全な家計のバランスシートによって消費者の支出は維持される」とした。

12月先のインフレ期待は5.4%と、4月の5.3%から上昇した。

ピーターソン氏は「消費者は特に食料品の価格が米経済に対する見方に最も大きな影響を与えると指摘した」とし、「おそらくその結果として、今後1年間に金利が上昇すると予想する消費者の割合も55.2%から56.2%に増加した」と述べた。

調査対象となった消費者の約48.2%が今後1年間で株価が上昇すると予想。一方、25.4%が下落を予想した。

今後1年間にリセッション(景気後退)が起こる可能性を感じている消費者の割合は2カ月連続で増加した。

また、今後6カ月間の主要家電製品の購入計画を測る指数は4月の43.0から49.4に上昇。テレビ、冷蔵庫、掃除機、衣類乾燥機がけん引した。

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