K―1女王・菅原美優とパンクラス王者・伊藤盛一郎が結婚 〝王者カップル〟のなれそめと今後

結婚を発表した伊藤盛一郎(左)と菅原美優

格闘界に〝王者カップル〟が誕生だ。立ち技格闘技「K―1」の女子アトム級王者・菅原美優(24)と、総合格闘技「パンクラス」フライ級王者の伊藤盛一郎(30)が、結婚していたことが明らかになった。昨年12月の試合後、試合に勝った伊藤が菅原をケージに招き入れてアツアツぶりを見せていた2人は5年の愛を育み、ついにゴールイン。夫婦そろって本紙の取材に応じた菅原と伊藤が明かす2人のなれそめ、今後とは――。

2人の出会いは2019年。菅原のジムの先輩で、伊藤と親交があるキックボクサーの村越優汰が湘南の海で開催したイベントだった。初めて会ったときに印象を、菅原が「『体、分厚い。耳、潰れている』みたいな(笑い)。実はもともと、母がファンだったんです。それで『あ、お母さんが言っていた人だ』って思いました」と言えば、伊藤は「自分は『顔ちいさ!』って思って。本当、顔が拳くらいで『この子がキックやってるんだ』って思いました」と振り返る。

その後、城戸康裕の音頭でビーチサッカーやビーチバレーで遊んでいるうちに仲良くなり連絡先を交換。「それから一緒に映画を見に行ったり、電話をしたりして。よくあるような感じです」(伊藤)と交際をスタートさせた。お互いを「みゆう」「せいちゃん」と呼び合う2人はすでに入籍しており、菅原は「私も、もう伊藤さんです」と笑顔を見せた。

そんな2人が格闘技ファンの間で話題になったのが、昨年12月24日のクリスマスイブだ。パンクラス横浜大会で伊藤は、有川直毅とのフライ級暫定王座決定戦で勝利。悲願のベルトを手にすると、家族や関係者と一緒に菅原もケージに招き入れたのだ。

しかも肩を抱き寄せたため、菅原が伊藤のほおにキスをしたような形に。この時点で2人の交際は明かされていなかったため、ファンの間ではちょっとした騒動になった。伊藤は「もともとこのころから『来年発表できたらいいね』と言っていて、それで『勝ったら上がっちゃえ』って言ってたんです。キスしてないんですけど、そう見えちゃったんですよ」と弁明した。

お互いの好きなところは「優しいところ」で一致。菅原は「一緒にいて楽ですね。あとは、私は強がりというか弱さを見せたくなくてヘラヘラしちゃうんです。でも本当の一番の発散は泣くことで…。それで唯一大泣きできる相手がせいちゃんです」。伊藤も「好きなものも同じで動物にも優しいので。ポンコツなところもいっぱいあるけどニコニコしてるので」と視線を合わせた。

伊藤家のビジョンも描いている。菅原が「笑顔あふれる家庭を築いていけたらと思います。子供も欲しいです。今いろいろ考えているところですね」と言えば、伊藤も「(子供も)近々、欲しいですね。タイミングで」とうなずいた。

また、気になるのが格闘家としての今後だ。伊藤は「日本王者になれたから、これからは世界と戦う時かなと思います。対外国人選手とか、海外に出て戦うとか。何歳までとか決めていないですけど、いけるところまでいきたいです」と世界を見据える。一方、3月の宮崎小雪戦後の菅原は、SNSの発信等から今後の去就に注目が集まっている状況だ。

異例の王者カップルは、どんな明るい未来を築いていくのか。

☆いとう・せいいちろう 1993年12月3日生まれ。カナダ・トロント出身の横浜育ち。高校で柔道を学び、卒業後はリバーサルジム横浜で総合格闘技を始める。17年4月にRIZINに初参戦し才賀紀左衛門に勝利。第3代ZSTフライ級王者、第9代パンクラス・フライ級王者。戦績は17勝4敗2分け。161センチ。

☆すがわら・みゆう 1999年11月22日生まれ。東京・板橋区出身。小学1年から空手を始め、高校在学時にK―1アマチュアの全日本大会Bクラスで3度優勝。21年3月にK―1デビューしNOZOMIに勝利。第3代Krush女子アトム級王者、第2代K―1女子アトム級王者。戦績は18戦14勝4敗(1KO)。162センチ。

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